聖女だけど家族から冷遇されて育って隣国の皇太子に嫁がされた。でも相手は乗り気じゃないし会ったこともないので男装して軍に入ります

第1話 ロイアナ・エフテイン

　エフテイン王国の第一王女として生まれたロイアナ・エフテイン。双子の妹、第二王女エリザベス・エフテイン。二人の姉妹の母親は聖女だった。姉妹には兄のエドウィン・エフテイン第一王子が居たので、二人のどちらかは生まれた時から他の国か臣下に嫁ぐことが決まっていた。残念なことに二人が３歳になる頃、二人の母である聖女ルミアは亡くなってしまった。聖女の力は、何歳で発動するという決まりはない。二人はいずれ発動する可能性のある身として2人ともがとても大切に育てられるはずだった。

　ロイアナが最も不幸だったのは、その容姿が母ールミアとは全く似ていなかったことだ。ロイアナはルミアの双子の妹にそっくりだった。ルミアの妹は聖女とは似ても似つかない変人で野蛮で最低最悪な性格だと王宮での噂になるくらいだった。双子の妹である第二王女は、ルミアの生写しのような美しい容姿だった。

　しばらくして、王は以前から愛人にしていた女と結婚した。姉妹には義母が出来た。