9――戦場コントシリーズ1

砲煙弾雨が降り注ぐ塹壕。向こうからは戦車の無限軌道の音。

「小隊長、今生の別れに…」

「?」

「ミーちゃん、あの店で私もよく指名してました!」

「何?」

「彼女から隊長が台本付きで赤ちゃんプレイしてたの聞きました」

「兄弟…」

「墓まで持っていきます」

「そうか……」

 空気を読まない味方ヘリから、無線機に通信が入る。

「助けに来たやでー」

「「…」」

――なお、この戦争が終わってから小隊長と部下は、戦友会で顔を合わせる度に「兄弟」と呼ばれたそうである。




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