#100文字の架空戦記( #掌編小説 化作品集)

高宮零司

クリムゾン・アクシズ(共産主義枢軸)

第一話――布哇(ハワイ)真珠湾港奇襲

光文16年(西暦1941年)12月8日 17時12分


 残照の中、戦艦「扶桑」は、横倒しに海面へと没していた。


 1920年に就役したその戦艦が誇る、36センチ三連装主砲三機は海面に砲口を突き出している第一砲塔をのぞき、すべてが海中にあった。

 帝国海軍が布哇ハワイ王国から租借している真珠湾軍港は、すでに機能を失いつつあった。


太平洋の向こうの共産主義国家、アメリカ社会主義人民共和国が編成した世界初の空母機動部隊。その部隊が運用する数百機に上る艦載機の奇襲攻撃は、それほどの衝撃を大日本帝国へもたらしていた。


「ずいぶんと酷いことになっちまったな。旧式とはいえ戦艦四隻と飛行場、重油タンク群を潰されては聯合艦隊は向こう半年、いや一年以上は開店休業かもしれんな」


#100文字の架空戦記

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