sidestory;元カノ

私の名前は藤木槻。最悪な幼なじみの被害者である。


幼なじみの名前は夏目京介。小さい頃結婚を約束した相手だ。今思うとあんなこと言わなきゃ良かったと思ってる。


なぜって?私の立場にもなって欲しい。


毎日毎日「好きだ好きだ」と行ってくるのだ。

正直とってもウザイ。でもそんな彼を別に嫌いだとも思っていなかった。


それでも世間は許してくれなかった。幼なじみこと京介はどんどんと成長していき、身長も私よりも大きくなってかっこよくなってしまった……。


そう、私と釣り合わないのである。私は彼に嫌われないように、好きなままでいてもらうために努力した。でも……。


「幼なじみってだけで京介くんのことたぶらかして何様のつもりなのかねえ?」

「絶対あんな女より私の方が京介くんのこと幸せにしてあげれるのに……」

「なんで付き合ってるんだろ。身の程を知れって感じよね」


……などである。そしていつも汚い笑い声が聞こえるのだった。その度心がキュッと締め付けられる。


そんなこと私も自覚していた。でも好きだったから。離れたくなかったから。私は聞かないようにした。

でも心が持たなかった。そしてついに言ってしまったのだ。


「あんたのことなんてなにもおもってないから。近づかないで。」


そんな最低な言葉を放った。そんな言葉を言われる筋合いのない人に……。でもこれで私の肩の荷は降りた気がした。これで影で悪口を言われる事も無くなるだろう。


そう思って彼から離れた。そして彼が私を見えなくなる所まで行ってから、柱からひょこっと顔を出して彼を見ると、


『泣いていた』


それを見た私は吐きそうになった。自分がしてしまったことに拒絶反応が起きたのだ。


私は教室に走った。そして席に座ってスマホをいじる。何も考えられないように爆音で音楽を聴く。ロックな音楽も今は気分はあがらなかった。


彼が教室に入ってきた。


(京介……)


でかかった言葉は喉元で留まった。思い詰めた表情の彼にかける言葉なんて見つける事が出来なかったから。


イヤホンをしたままスマホについたカメラで彼をみる。やっていることはストーカーの行為だった。


彼は横の女の子と話をしている。彼女は多分千紗ちゃんだったと思う。あまり目立たないかんじでいつも寝ている気がする。


彼女と京介は仲がいい。彼女は可愛い類に入る女子で……。モヤモヤとするものがある。私は彼を振ったんだ。元彼の事をずっと考えているなんて私はメンヘラか。


イヤホンで音楽を聞いてるから何を話しているかは知らないが楽しそうである。

彼が本気を出してしまったらそこら辺の女の子なんてコロッと落ちてしまう。彼に私以外の彼女が出来てしまったら……。


そんなことを考えてしまう私に自分で暗示をかけた。


『京介は私のモノ。他の子のものにはならない』


と。根拠もないものだがこんなものに頼るしかなかった。他人の陰口に恐れて、自分を守るために彼を傷つけて……。


そんなことを思っていると昼休みになってしまった。私はいつも京介が作ってくれるお弁当を貰っているのでいつも昼を持ってきてない。


でも今、貰えない。だから購買部でパンを買って食べようと思っていると京介は私が食べるはずだったお弁当を千紗ちゃんに渡していた。


また私の中のモヤモヤが出てきた。あのお弁当とっても美味しいのだ。でも最近は周りの目が怖くて早く食べては感謝の気持ちも伝えてなかった。


楽しそうに食べる二人を見ながら食べるパンはパサパサで味はしなかった。悲しい気持ちになった。


そんな気持ちを晴らすためにカラオケで熱唱した。でも私の歌う歌は全部失恋ソングだった。


「運命の人じゃないみたい~~~」


あーもう歌ってやるぅぅぅ。泣きながら歌った。少しだけでもスッキリした気がした。声がガラガラになるかと思ったがそうでもなかった。


そんなカラオケの帰り、私は見てしまったのだ。


『京介の家から千紗ちゃんが出てくるところ』


私は京介が一人になるのを見てから話しかけた。私は自分が何を言っているかなんて考えてなかった。自然と口から出ていた。千紗ちゃんの事を悪くいうことだったと思う。


「でもな!笑った時の笑顔は槻ちゃん数倍、違うな……。千倍違う。とっても可愛い。一つでも槻ちゃんに勝っているものを持っているものを持っている子。俺は俄然、興味をもってる」


そんなことを彼から言われた。その時私は用済みだと言われた気がした。あ、もう私いらないんだって。


女の子は笑っててなんぼ。でもそれが負けてるなんて……。


「京介は私のもので。なんで私に逆らうの?あの女に騙されてる」


あー何言ってんだろ、私。こんなこといってもかわらないのに。京介はそんな私に何も言わずただ立ち去った。


「きょーすけ。まって……」


(わたしをおいていかないで……)


そんな言葉はまた喉元で留まった。振ったやつにそんなことを言う資格なんてのこされてないのだから。


私の心は少し壊れてしまった。そんな気がする。


◆◆

じょ、女子こわぁい。


更新遅れてごめんなさい。倶楽部が忙しくてですね。(聞いてない)











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