誰かが襲われてます!

 そして今、シンラの森。

 僕は特訓の甲斐もあって、数度襲ってきたモンスターとは楽々と対峙たいじできた。ここに住み着いているのは小型のドライアード。若干オーバーダメージを与えることもあったが、僕がやらかしていたという「破壊行為」ほどにはならなかった。

 

 ご指定の薬草を手に入れて帰路につく。この頃には少しリラックスしたムードになっていて、雑談をしながら歩いていた。ところが、それを割るような大きな叫び声がどこからか聞こえてきた。


--ふぉああああああああ!! なんだこれはあぁあああ!?


 誰かがモンスターに襲われているのだろうか。僕たちは慌ててそちらへ走っていった。

 その先には。

 あぁ、これはなんとも。

 なんとも懐かしいというか、場違いというか。

 僕の「元の世界」のスーツ姿の男がドライアードに襲われている。

「大丈夫ですか!?」

 僕が慌てて杖を構えて男の足元の敵に狙いを定めた。

 身体の中で紡がれるエナジー。それを打ち込もうとすると、

「待って、マモル!!」

 と、マルシーンに止められた。彼はドライアードを片付けてため息をついた。

「危なかったよ、マモル。 暴走寸前だった」

「あちゃ、暴走か……」

「あの人もろとも吹き飛ばしそうだったね」


 そう言われるところの「あの人」は激しく息を吐きながら座り込んでいた。スーツの男。あぁ、この人もまた。

 ……と、彼に近づいてみて驚いた。シャイラも同様に。


「「ええええ!? もしかして、柿P!?」

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