トラックにひかれた後、転生後に神に貰ったさいきょースキルでガチで無双する夢想をする話っす
寺条 好
第1話 魔物よりも怖いもの
「~~さて、この物語について読む前に注意してほしいことがある。それは、この物語は決してフィクションなんかじゃないということを念頭に置いて欲しいということだ。
けっっっっして!!フィクションなんかじゃないんだからねっ!
それでは異世界に行く前に語るとしよう。前にいた世界と違う別のとある世界について」
「……ねぇ、私べつにそんな話聞きたくないんだけど」
「…………」
「さっきからずっと黙ってたけど、おじいちゃん頭大丈夫?いきなり見知らぬJKに声かけてきて、『いきなりだが、お主は死んでしまった。災難……』そのあと何だったけ?まぁ、変なこと言い始めてさぁ……」
「……」
「ねぇ、なんか言ったら?てか、ここどこ?そこそこ暗いんですけど?明かりとか無いの?」
「……っさい」
「え?なんて言ったのおじいちゃん」
「うっさいんじゃぁ!!!うっせえ、うっせえ、うっせえわ!!!」
「あ!それ知ってる!」
「とっとと転生しやがれクソ娘め、せっかくこの後の世界に関する説明しようと思ったのに!!!!あーあ」
「急にぶち切れじゃん。受ける(笑)」
「もーいい、お前みたいな奴にはチート能力なんてやらん」
「いきなり変な場所に連れてこられて怪しい髭もじゃでハゲのおじいさんの話をずっと聞かされてたら説明いろいろ求めるでしょ笑」
「そんなの知らん!!!転生させる奴らはどうしてみんな人の話を最後まで聞くことができない奴らばっかりなんじゃ!てか、ハゲって言うな!」
「いやそれは……」
「黙れ!!!」
そう言うと目の前のおじいちゃんは持っていた杖を大きく振った。
直後、私の全身が発光する。
「えっ、えっ、ちょっ、これ何!?」
体が透けていく。もう既に腕まで透明だ。『異世界に行く』あの言葉はおじいちゃんの妄言かと思っていたが、本当のことだったらしい。
私が最後に一言おじいちゃんに言うと同時に私の意識は途絶えた。
「クソ老害かぁ、そろそろ歳だしこの仕事辞めようかなぁ」
★
さて、私はただいま転生したJKです。ちなみに、どこか分かりませんが転生先は小さな丘の上でした。正直、ベットの上あたりが転生先として良かったのですが、密林や砂漠じゃなかったことを喜ぶべきなのでしょう。
「話は最後まで聞けって、あれってよくよく考えたら特大ブーメランだよなぁ……」
そうぼやきながら周囲を歩き回ります。
「てか、さっきから視界に入るこれ何?」
視界上にモニターみたいなのがある。触ることができるらしい。
「えーっと、職業【暗殺者】レベル1、スキル【潜伏】かぁ」
使用感はタブレットみたいなもので、画面の拡大や縮小ができる。
適当に視界上のパネルで拡大縮小を繰り返していると、ふと【潜伏】のボタンに指が触れた。すると……
「えっ、ナニコレ?」
段ボールが出てきた。
「は?」
理解するまで時間がかかる。
「これで潜伏と……」
ス〇-クじゃねえんだぞ!!!
「マジかぁ。まじでこれじゃgmスキル……」
目の前に落ちてるダンボールを見てそうぼやく
「ってか、ここどこ?」
今更ながら、この場所に対する疑問が浮かぶ。
容姿はここに来る前と同じく制服らしい。
持ち物は……ポッケにあった小さな飴玉くらいだ。
「かなり、やばい……」
そう、やばいのだ。知らない世界に「美」少女が一人っきり、それに無一文ときた。
「まぁ、とりあえずこの丘そろそろ降り終わるし、町や村を見つけてから考えよ!」
まぁ、本当にやばいのは、彼女には危機感というものが欠如していることだが。
「おっ、見えてきたー!」
目の前に広がる町の名は{始まりの町}
全国で最も大きい冒険者ギルドが存在しており、常に活気のある声が町を包み込む商売の町でもある。大半の冒険者志望はまずこの町で技を磨いたり、武器や防具を装備したりして冒険の旅へと旅立つ。
「ぷはー、やっと着いたー!」
彼女はそう言うと、冒険者ギルドへと足を運んだ。冒険者ギルドでは冒険者の支援を行ってくれるため、何泊ぶんかの金貨を援助を受け取ることが可能であるためであるからだ。
「ねぇ……」
彼女は、後に知ることとなるのだが、転生者の職業というものは【特殊職】と呼ばれるものらしく、ギルド内で大騒ぎになるのだが、、、
「あの……」
~~~彼女が最後にこの町で手に入れた木彫りの人形が、彼女の使命である魔王討伐で重要な役割を果たすことになるのだがそれはまた別の話。
「……」
私は、全力で逃げた。『隣にいるこの変態から。』
「ちょっ、ちょっと待ってくれよ!!!」
やばい、やばい、やばい、やばい
「誰か―!助けて―!」
彼は追ってくる。やばい、殺される。
「ちょっとだけ話を聞いてくれよ!」
ずっと隣で独り言を言うだけの変態ならば、1億歩譲って理解できる。
だが、彼いや、さっきから追ってくる変態はずっと隣でぼそぼそと私の心情や状況を呟いてくるのだ。具体的には段ボール出したあと辺りだ。これがやばい奴と言わず何というのだろうか。
逃げる、ただひたすら逃げる。コンビニでバイトしているときにもやばいやつとは何度も出会ったが、こいつは格が違う。
「はぁ、はぁ」
ようやく彼の声が遠くなった。おそらく捕まったのだろう。
違うんだーとか怖がらせるつもりはなかったんだーとか微かに聞こえてくる。
「……」
声が出ない。
異世界に転生して、初めて出会うのは、魔物でも王様でもなくやべー奴でした。
トラックにひかれた後、転生後に神に貰ったさいきょースキルでガチで無双する夢想をする話っす 寺条 好 @kyuusyuudanji
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