83話 寝起きとクラン結成!
……ん、息苦しい。起きるか。ねむねむねむねむねむねむねむだ。
「ふわぁぁ〜あ」
目を擦って伸びをすると意識がハッキリしてきた。
「は?」
また姉さんが布団に入り込んでる。むねむねむねむねむねむねむねだったわ。
「何言うてん?」
意味わからん。顔洗おう。
「覚醒!」
完全に起きた。さっき意味わからんと思ってたやつ、よく考えると
姉さんの
……うん、相変わらずボッチの俺には公式さんからしか来ていない。SNSで時間取られないからいいんだけどね!
今日は7月30日だから、明日は模試がある。強制だからゲームは夜までできんな。今日で進んでおきたいな。
ログイン。ちなみに朝ごはんは食パン。
「おはようございます」
「あ、おはよう」
ご飯食べに行こうとしたら魔王の娘さんが。朝から礼儀正しくてしっかりしてらっしゃる。
「今から朝食ですか?」
「そうだよ」
「ご一緒してもよろしいでしょうか?」
「どうぞどうぞ」
名前なんだっけ? 何かサ行が入ってたのは覚えてるんだけど……
「何とお呼びすれば良いですか?」
「クロでいいよ」
もはや偽名がめんどくさい。顔晒してるしセーフやろ。
「ではクロ様と。わたくしのことはソルとお呼びください」
ソルさんっていうのか。覚えた。
「……おはよ」
「おはよー」
「おはようございます」
ネアも合流。
「……誰?」
「挨拶が遅れて申し訳ありません。お父様の娘、スセソルです。ソルとお呼びください」
「……そう」
スセソルなのか。さっきのソルってのは愛称か。確かに言いにくそうではあるからなー。
自己紹介が終わったところで食堂に到着。
「おはよう」
「……おはよ」
「おはようございます」
「む、おはよう」
「ご主人様、おはようございます」
「ほふぁふぉー(おはよう)」
「おはようでやんす」
「おはよう、です」
皆さんお揃いで。一人だけ口をいっぱいにさせながら挨拶してるアホがいたせいで、ネアが凄い睨んでる。無言の圧力ってこわいなー。
席に着いて食べちゃおう。
「いただきまーす」
「偉大なる魔王陛下に栄光の闇を」
「…………いただきます」
今聞き流しそうになったけど、とんでもない食事の挨拶が混じってたぞ。栄光の闇って何だよ。栄光に光が入ってて矛盾してるやん。
「ご馳走様ー」
「偉大なる魔王陛下に喝采の嵐を」
「……ごちそうさま」
つっこまんぞ!
「……クラン」
「あー、そういえば」
今日からだっけか。
「「「「「……」」」」」
この場にいるプレイヤーがキョロキョロしてる。これは……
「……クr、ノワール……作って」
軌道修正えらい。ほぼ言ってるようなもんだけど。でも、
「何でボクが?」
「……アホ三人、私……無理」
「作るだけでいい?」
「……クランリーダーにも」
なれと? 仕切れるやつなんて俺以外に……いねぇわ。言ってた通り、アホと無口しかいない。
「分かったよ。世話の焼ける人達だねー」
えーと、あっ、クランのマークがある。これを押して、設立っと。お?
「クラン名は?」
「「「「…………」」」」
考えてないようだ。
「全員で出し合って多数決でいいかい?」
「〘ブラックジャック〙とかどうやんすか?」
「いいね。どんどん言っていこう」
三下、気が利くな。こういうのは最初が出てこないから助かる。
「〘ホイップクリーム〙とかどうかしら?」
「〘ご主人様と取り巻き達〙がいいと思います」
「それは無しでしょ。ボク的には〘バックボーン〙がいいと思うよ」
意味は背骨。大事な場所って感じだ。オシャレで我ながら素晴らしい案だと思う。あとはネアだが……
「…………〘フロントライン〙」
「へー?」
「……意味……最前線」
かっこいい! レベル的にも行動範囲的にも最前線だろうし、ピッタリだ。それにしよう。多数決なんて知るか。
入力。メンバーをフレンド欄から選べ? とりあえずネアのところの勧誘ボタンをポチッとな。
「……よかったの?」
「え?」
「……クラン名」
「あぁ、一番良かったからね」
「そう……」
「ちょっと! 待ってくださいご主人様! もしかして決めたんですか!?」
「え、そうだけど?」
「多数決は……?」
「知らなーい」
「そんな!? 私の素晴らしい案が……」
どこがだよ。それよりフレンド登録が必須とは。めんどいな。お、クランメンバーにネアと出てきた。何か副リーダーを選べるみたいだしネアに副リーダーやってもらおう。このメンツでは俺の次にしっかりしてるからな。
「……」
「マツ、フレンド登録するよ」
「遂にご主人様にデレ期が!?」
「ブロックリスト開いちゃつた。あっぶなー」
「冗談ですごめんなさい」
こっちも冗談だからいいけどな。それにしてもブラックリスト、存在は知ってるけど、実際どんな効果があるんだろ?
『プレイヤーネーム:マツにフレンド申請しました』『フレンド申請が承認されました』『プレイヤーネーム:マツとフレンドになりました』
「クラン勧誘もしとくからー」
「はい」
よし。
「……副リーダーも……勧誘できるみたい」
なんですと。それはいい発見。
「そっちの二人の分はよろしくー」
「……ん、できた」
クラン〘フロントライン〙、始動!
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