26話 スキル連打と【深化】実験

新しいスキルを使ってみる。


「【忍び足】」



 エフェクトは無しか。地団駄踏んでみる。無音。砂の音が少しくらいするかと思ったけど、完全に無音。すげ〜。


「お次は、火種よ〖プチファイヤー〗」


 ポスッ


 しょぼい音で右手人差し指から森○製菓のラムネサイズの火が出た。攻撃向けではないな。使いまくってスキルレベル上げしよ。





「火種よ〖プチファイヤー〗」

 ポスッ


「火種よ〖プチファイヤー〗」

 ポスッ


「火種よ〖プチファイヤー〗」

 ポスッ


「火種よ〖プチファイヤー〗」

 ポスッ


 ・


 ・


 ・


 ・


 ・


 ・



『【火魔法】のレベルが上がりました』


「はぁはぁ」



 喋り疲れた。最大MPが420で、30秒に1回復するから使いまくった。スキルは熟練度的なので上がるみたいだ。でも体感でレベルアップした時というか、戦闘の方が上がりやすい気がする。



 追加されたのを見てみよう。



 魔法

 〖ファイヤー〗

 火を生み出す。

 詠唱:「火よ」

 消費MP:4




「火よ【ファイヤー】」


 ポンッ


 さっきよりかはましな音で手のひらサイズの火が出た。大きくなっただけみたいだ。





 折角人が居ないんだから、深化の練習もしようと思う。


 最初使った時は意識せずに全身にかけたと思う。オーガのリーダーくんの時は心臓部分にだけを狙ってかけた。意識すれば、一部だけ深化ができるかもしれない。



「右手だけちょびっっっと【深化】」


『右腕の【深化】出力:5%を確認』


 ぐおっ! なんかゾワゾワして、無性に暴れたくなる。右手は黒く硬くなってる。見た目は書道の墨を塗りたくって固まった感じ。



 てか、親切に出力も教えてくれるのか。出力を声に出して言えば大分コントロールが利きそう。……その前にこれどうやって解除するんだ?



「解除」


 元に戻った。自我を保てる出力で使えば、オンオフの切り替えができて普通に便利そうだ。


 次は他者へかける場合だな。そこらにいる蟻をつまんで試す。


「【深化】1%」


 ドロッ


 溶けてしまった。出力は抑えれたけど、蟻自体が弱いせいか、使えなかった。


 まぁ、強い魔物にかけるくらいが黒幕的にはちょうど良いかもしれん。あんまり量産すると、目新しさが失われてしまうからな。






 〈にんげん、まち、みつけた〉



 !! オーガのリーダーくんか。最初の町を攻めるように言ったんだった。もう着いたのか。



 〈その町におっきい建物は無いよね〉


 〈ない〉


 〈その町の近くに沼はあるかい?〉


 〈けん、もたない、ある〉

 


 えーと、左側に、つまり西側にあるって事だよな。なら合ってるかな。


 〈攻めていいけど、大声を出しながら攻めてね〉


 記念すべきプレイヤーに仕向けた最初の敵が奇襲とかだとつまんないし。


 〈わかった〉



 〈頑張ってねー〉






 掲示板を開くけど、ROMるだけだし、魔法とスキル使いながら進もう。







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