21話 軽い考察と中間地点


なんかいっぱいだな。匿名が俺以外にもいるしどれかわからんな。


 お? 運営からメッセージが来てる。



 …………ふむふむ。どれが俺のか教えてくれた。ありがたい。


 えっと、レベル1位、スキル数4位、ユニークスキル数同率1位、レアスキル数同率4位、合計討伐数5位、討伐最高レベル1位、同時殲滅数1位、カルマ値・悪1位だ。


 いっぱい入った。うれぴー(棒)


 魔物討伐数がランキング外だったから、匿名にしといてよかった。いっぱい人殺したのがバレなくて済んだ。


 ネアは、結構強いだろうから匿名のどっちかだろう。


 もう1人の匿名の人とも会ってみたい。完全に悪っぽいし。


 ランキングごとに違う人って可能性もあるけど、レベルで見ると、討伐数も同じような感じになるだろうし、同一人物で間違いないだろう。たぶん。


 種族に関しては、人? はランキング外。詳細不明のまま。


 そして、今居る俺だけしか居ないだろう名前そのままの街道が10位。俺が王都に居れば10位は空きだったかもしれない。





 ……触れないようにしてたけど、やっぱりツッコミたい。


 あの騎士団長さんレベル85もあったのかよ!


 よく逃げ回れたな。手加減されてたからか。てかレベル85を一撃でぶっ殺した深化さんはなんなのか。


「はぁ、なんか疲れた」


 ちなみに、このランキングは毎日更新されるらしい。初回だから見たけど、別に競ってる訳じゃないし、今後は必要にならなきゃ見ないだろう。


 そんなことを考えながら歩いていたら、村みたいなのを見つけた。ダッシュや!



 到着。村っぽいけど、なんか大きい屋敷もある。どういう場所なんだ?


「こんばんはー」

「あら、こんばんは。どちらから来たの?」


 近くにいるおばさんに話しかける。


「王都から走って来ました」

「あらあら、凄いわね。疲れたでしょう」


 それはもう! ほんとに!


「そうですね。ちなみにここってどこですか?」


「ここはセキネイ王国の東端、エルガー辺境伯の治める領地よ」


 つまり外国との交戦地帯の可能性もあると。


「なるほど、ありがとうございます。あと、宿とかに案内して頂けませんか?」


「いいわよ」


 明日にここを発とうかな。


「お待ち。旅の方かしら?」


 青いドレスを着た金髪ポニテで碧眼の、同い年くらいの子が急に話しかけてきた。


「そうですが、何か?」


「そう、そこのあなたはもう行っていい。この旅人は私が案内するから」


「か、かしこまりました」


 行っちゃった。貴族とかかな?


「初めまして、私はここの領主の娘の、キアーロ・プリマ・エルガーだ」


「初めまして。ボ、自分はクロです」


 今更だけど、普通の時の一人称は「自分」にしよう。今まで使わなかったから、決めるの忘れてた。


「早速やかたに案内するからついてきてくれ」

「あ、はい」


 さすが貴族の娘。有無を言わさぬ上から目線。


 領主の館で何をされるのか。はぁ、疲れてるから休ませて欲しい。





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