2話 情報収集と町の外





『レベルが上がりました』『レベルが上がりました』『レベルが上がりました』『【隠密】のレベルが上がりました』



とりあえず2人殺した。レベルが3つも上がってウハウハだな。さっき見た【成長促進】は、こんな感じだった。


スキル

【成長促進】ランク:レア レベル:1

人一倍以上よく育つ。人の可能性を齎す。

獲得経験値1.1倍


これ種族スキルとかそんなやつだろ? やっぱり、 スキルのランクがレアだから種族:人間? もレアなのかな? ちなみに今のステータスはこうだ。



プレイヤーネーム:クロ

種族:人間?

レベル:5

特性:変人・狂人

HP:250

MP:100

スキル:□□・隠密2・歩術1・成長促進1



スキル

【深化】ランク:ユニーク

より深く、どこまでも深く、何よりも深く

君ならば、かの■■■■■にも届く

さあ、堕ちよ

〖解放条件〗

●種族:人間 の住民100人を1人で殺す3/100

●村、町を合計3つ滅ぼす0/3

●特性:悪人 を500人従える0/500

●特性:善人 の王族を1人殺す0/1

●上記達成まで警察機関に捕まっていない




先が長い……あ、絡まれて忘れてたけど、どんな黒幕RPしよう?

一人称は、「ぼく」かな? 「わたし」? 「我」? どれにしよう?


…………決めた!


「ボクでいこう!!!!」


「何訳分かんねーこと言ってんだゴラ!」


また絡まれた。そんなナメられる格好してるか? ……してた。ボロ布装備はナメられるな、うん!


「シカトすんじゃねぇ!」

「あ、ごめん。なんだっけ、戦いたいんだっけ? とりあえず……死ね」



一撃で脳天をかち割れた。レベルアップのおかげだろう。てか、ここのチンピラども無防備すぎだろ。あほなんかな?

とりあえず死体は回収してっと。


「ユニークスキル解放を1番の優先順位にしよう。となると情報収集が手っ取り早いかな? 犯罪組織とかを乗っ取っれば、悪人500人従えれるかもだし、犯罪組織を探さなきゃいかんな」


一旦表通りで聞き込みでもするか。

情報♪情報♪













表通り到着。 誰にも絡まれずに出れた。さっきまでは、運が悪かったんだろう。早速聞き込みターイム!



まずは見回りをしてる衛兵に、


「すみません、さっきチンピラに絡まれたんですけど、この町って治安悪いんですか?」

「いや、治安は他所に比べたらそこそこいいぞ。それより大丈夫だったか?」


これははずれかな?


「何とか走って振り切りました」

「そうか、よかった。近頃は異界人の犯罪組織も出来てるらしいから気をつけろよ」

「[も]ってことはもともと犯罪組織は結構あったんですか?」

「ああ、王都には2、3個あるらしい」

「そうなんですね、気を付けます。では、これで」





情報GET! 1発でいけた。

あの衛兵さんはお人好しだな。別れ際に手振ってたし。この町でなんかする時はあの人を使うとしよう。


王都を目指す方向でいこう。でも王都ってどこにあるんだ? 聞いときゃよかった。


仕方ない。掲示板で聞いてみよう。えーとコテハンは「名無しの」が必須なのか。じゃあ、テキトーに衛生兵でいいか。

とりあえず物腰低く、婉曲的に、こんな感じかな?




ふむふむ、王都から西に村3つ挟んだ先がここだから、王都は東か。間に村があるのは好都合だ。

プレイヤーが少ないうちにさっさと落としてしまおう。



間近で見ると町を囲む壁結構でかいな。いざ、出陣!!


「そこの貴方!もうじき日が暮れてしまいます。今日は宿で休むのをオススメします!騎士からの助言です!」


青髪ポニテの鉄っぽい鎧を着た美人さんが近づいてきた。

この異常な騎士推し……掲示板の人か!?

まさか狩りしながら掲示板に張り付いてたのか?


「心配には及びません。考えあっての行動なので」

「夜は魔物が活性化します、危険ですよ!」

「大丈夫ですから。さようならー!!!!」


全力ダッシュ!!!!





鎧だからか追いかけてこなかった。よかった。βからやってる人に絡まれるのは面倒だし。

逃げたから怪しまれたかもしれんけど。






結構歩いた。腹減ってきたな。……? ゲーム内でも減るのか? ステータスに満腹度とかなかったはずだけど?

また、マスクデータか? とりあえず手持ちは人肉しかないな。いちいち黒幕が気にすることじゃないし、食べてみるか。



初心者の片手剣で解体してボロボロになった肉を頑張って火種から作った火で焼いてっと。


「いただきます」


「不味っ!!」


血が抜けきってなくてビチャビチャで、肉はなんかグニグニしててクソまずい!







何とか食べきった。腹は満ちたけど、損した気分だ。木にもたれかかってログアウトしよう。

ゲーム内と外の時間は同じだから外も夕飯か〜。ログアウトボタンを押してっと。

あ、視界がぐるぐるするやつね、はい。









カーカー


烏の鳴き声が聞こえる。




「こーく〜ん! 夜ご飯だよ〜」

「はーい!今行く!」


姉さんはもうログアウトしてたみたいだ。






モグモグ


「姉さんは、どんなプレイングしてるんだ?」


個人のプレイは攻略情報じゃないからセーフだよな。


「気ままな魔女ライフって感じよ〜」

「人助け的な? それとも、悪い魔女的な?」

「調合に明け暮れる魔女ね〜」

「楽しそうだな」

「楽しいわよ〜、あ、ゲーム内で集まってみる?」


ポーションの類は欲しいが、そういうのは配下とかを手に入れてからの方がいいかな?


「今はまだいいや。用があれば俺から言うから」

「おっけ〜、ちゃんと休憩しなよ〜」

「わかったよ。姉さんもね」











ログインしました、はい。真っ暗で全然見えない。地面に近づけば、草とかも見えるんだが、俺の体の跡も見える。

……ログアウト中も残るのかよ! 先に言えよ!


あのロリっ娘説明してないこと多すぎだろ! もしかして聞かなきゃ教えてくれないのか?それともあいつがサボったのか?

どっちじゃーー!!!!





……ふぅ、落ち着いた。

騎士さんが言ってたのは、これのことか。次からは、しっかり宿でログアウトしよう。


『【隠密】のレベルが上がりました』




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