after story 5
1
「え、じゃあ今朝アンタたち家から一緒に来たわけ?」
あれから、ベッドに張り付けようとする氷をかわして、二人でせわしなく支度を済ませてから登校すれば、大学前で緑と会った。
二人で一緒に来たのかと聞かれると、佐藤がべらべらと昨日今日一緒にいたことを話しちゃうもんだから、止める隙もなく緑に伝わってしまう。
ちなみに今日の佐藤氷は男ver.である。
「え、で、なに……抱き枕してきた、だけ?」
「だけ」
「違う、簀巻きの上から抱き枕にされてた」
「いや、今問題なのはそこじゃないのよ和香」
じ……という視線を二人から向けられるけれど、何が何やらだ。
暑すぎて私が蒸されるかという方が問題じゃないのか。
方……というけれど、もう片方の問題がわからないけれど。
「……佐藤、アンタなんで先に寝ちゃったのよ。もっとやることあったでしょう」
「それがぁ……先に寝ちゃっててぇ。気付いたら羽毛布団にくるまれてて、和香も寝ちゃってたんだよねぇ。可愛いから起こすのも悪いし……」
「健全に朝一緒に登校までしてきて?」
「うん」
「何もなし?」
「うん」
氷の神妙な表情から、どうやらこれは何かの相談を緑にしているようで。
どうやら私とのことを本人の目の前で相談しているようで。
けれど、相談している内容が妙にほわっとし過ぎていて、なぜそれで緑には理解が出来ているのかがわからない。
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