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その後、散々いじられはしたけれど、私は佐藤と二人で居ても女子力では佐藤に勝てないことだけがわかったと、精一杯主張した。


「ふぅん、これからが楽しみね」なんてニヤついていた緑は、きっとまた忘れた頃に掘り返してくるんだろう。




私たちにオススメしたいと、チョコレートの香りのする紅茶をお土産にくれた緑。


その時、電話が来たからと廊下に出て話をしていた佐藤。











彼が戻ってくると、なんとも言い難い複雑な表情をしていて。


何かをこらえるように奥歯を食いしばり、口の端に強く力を入れていた。






私の元へと来た佐藤に、ぎゅっと強く抱き締められて。


泣き崩れるように、膝までずり落ちていく佐藤を、私たちは初めて目の当たりにしていた。






私の頭の中は真っ白で


鞠も何が起きたかわからないように目を見張って


緑がティッシュとタオルを掴んで佐藤の隣へと座り込む。




















「……………………みつ、が」




「……え?」












「蜜……妹、が──




────目を覚ましたって」


















それは、新たな始まりの音



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