第7話

ダンジョンにおいてボスよりも中ボスのほうが何倍もツラい理由を説明しよう。


もちろんボスも中ボスと同じくダンジョンに365日24時間勤務という点に違いは無い。


しかし冒険者が来たところでボスのとは、ザコモンスターたちを倒し、中ボスを倒し、またザコモンスターたちを倒ししてやっとこさたどり着ける場所なのだ。


ダンジョンに来る冒険者たちがボスの間までたどり着ける確率をパーセンテージで表せばそれほど高い数字だとは言えないだろう。


なにせダンジョンには第1の鬼門として中ボスが居るからだ。


ダンジョンに入ってくる冒険者たちの全てがしっかりと対策をして回復アイテムなどをそろえておいたり、格闘や魔法などの色々なスキルを身に付けたりしているとは限らない。


中ボスを倒せずに、ダンジョン攻略を諦めるような冒険者は数多くいる。


ましてや中ボスを倒したところで、まだダンジョン攻略は半分。

中ボスをなんとか倒したところで、消耗した冒険者たちがそのままダンジョンを引き返すなんてことも珍しくない。


――つまりだ。


ダンジョンにおいて、実際にボスが冒険者を相手にする回数と中ボスが冒険者を相手にする回数では、大きな差があるという事なのだ!!


実際問題、冒険者襲来の連絡が入って、その連絡を受けたボスは今でもまだ自室で休んでいるはずだ。


ボスが冒険者たちを待ち受けるためにボスのに移動するのは、中ボスのオレが倒されたという連絡が新たに入った時に始めてボスの間に移動するという段取りになっている。


つまりボスにとっては、冒険者たちがいくら襲来しようが中ボスのところまでで冒険者たちを退けられれば、何もせずに自室で休憩し続けられるのだ。




そして……それは逆に言えば、中ボスには『絶対にお前のとこで食い止めろよ』というボスからのプレッシャーが半端ないのだ。


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