第15話
「ちょっと!なんで再生出来ちゃってるの?私のお菓子食べ放題計画は?私の楽しみを返して!」
ベヒーモス(猪)を俺が自力で復活させてしまった結果。セラスがダンジョンを使って復活させる代わりに必要なダンジョンポイントを俺が提供する。その時、余ったダンジョンポイントはセラスが好きにしていいと言う話が必要なくなってしまった為、余剰分のダンジョンポイントで豪遊するつもりだったセラスの感情が、驚いたり、怒ったり、落ち込んだり、コロコロ変わってちょっと面白い。
「ちゃんとセラスにもお願いするから。ダンジョンポイント変換用の精霊石はちゃんと渡すよ」
手段はいくつかあった方が確実だし。セラスに手伝って貰う約束をつけたタイミングで、逆行のこと思い出して、自分一人でも問題なく用意できるじゃん、やっぱりさっきの話なしでと言うのも可哀想だし。
「ホント!」
「ほんとほんと」
俺からしたら対してコストのかかる話じゃないし。俺は気づいた時に精霊石を作れば良いだけの簡単なお仕事だし。
「それじゃあ、あのベヒーモスの魔石は貰っていくわよ。魔石には魔物の情報が詰まってるから。魔石さえ有れば異世界の魔物だって召喚出来るのよ」
どうよ!とドヤ顔をするセラス。
「はい、これが魔石と精霊石も渡しておくね」
倒したベヒーモス(猪)から魔石だけ抜き取り、精霊石と一緒に渡す。どのぐらいのサイズの精霊石を渡せばいいか分からないので、適当に直径40cmオーバーの球体型の精霊石を作って渡した。
「コウはどれだけさっきのベヒーモスをカスタムして生み出すつもりなの?そのまま生み出すならリポップ有りでも、この10分の1のサイズでもお釣りがくるレベルよ?」
想像以上に精霊石の価値が高い。
やっぱり、魔物のカスタマイズもダンジョンは出来るのか。フロンのダンジョンで強化されたクラーケンとか、めっちゃ弱体化されたバハムートが居たから、できるんだろうなとは思っていたけど。
「魔物のカスタマイズって肉を美味しくしたり出来るの?」
「肉質を変化させたり、旨味成分を増やしたり、出来るけど。それをやれば絶対美味しくなる訳じゃないから。美味しくなるって確約はできないわよ?寧ろ、変えない方が良かったって可能性の方が高いと思うわ。最初から美味しいお肉なら尚更」
肉質やら、含まれている成分やらを弄ることは出来るけど。弄ったからって美味しくなるわけじゃないと。
確かに弄りすぎると最早別のお肉とか有りそうだし。
「じゃあ、最初はそのまま生み出して貰った方が良さそうだね」
今のままでも、燻製にするなら1番美味しいと思うお肉だし。
でも、のちのちは肉質とかを色々変化させたベヒーモス(猪)を作り出して、更に美味しいお肉を目指すのもいいかもしれない。
「そう言うパラメーターの変更って魔物限定?普通の植物とか生き物も変更できるの?」
「勿論出来るわよ。ゴブリン行商人の馬車を引いていた馬がパラメーターを変更した普通の生き物だし」
この世界の馬では見たことないレベルでガタイが良かったし、溶岩を平然と泳ぐ魚もパラメーターを弄って作ってるわけか。
「ちなみに水分が少なく、気温も低いような土地でも育つ小麦とか作れる?」
約1ヶ月前からリンファス王国の傭兵国の内紛に対する武力介入が始まったらしいけど。一般人の困窮具合が想像以上に酷いらしい。
寒冷地で育てられる作物も少ないし。
土地も痩せているところがほとんどで、農地にできる場所も少ない。
その少ない作物も軍に無理やり持っていかれるし。国からの支援も何一つない。
一般人は餓死者に凍死者が続出している状態だそうだ。
一般人を助けるためにリンファス王国の軍が炊き出しや暖を取るための薪を配給すると、傭兵国の軍や上流階級の私兵が取り上げに来るしまつらしい。リンファス王国軍がそんな事許す訳ないので、そのまま排除されてる見たいだけど。
それに慌てた、傭兵国の上層部がリンファス王国の正規軍が村を襲っているとか言い出して民衆を煽動しようとしだしたらしいけど。
今まで傭兵国がどんなことをしてきたのか、身をもって味わってる民衆が信じる訳もなく、逆に怒りを爆発させるだけだった。
民衆は完全にリンファス王国側だし。
傭兵国の上流階級の人間にもまともな人はいるので、そう言った人達と今後どうするか話し合っている最中らしい。
それが終わり次第全力で軍と既に盗賊と変わらない革命軍を制圧する流れになるそうだ。
その話を聞いた時に、寒冷地で尚且つ今まで農地として利用できなかった土地でも育つ作物を知らないか?と言われて。そんな都合のいい物流石に無いだろうその時は思ってたけど、セラスに協力して貰えば作れるんじゃね?とこの件を思い出した為、聞いてみた。
「寒さに強くしたり比較的少ない栄養で育つようには出来るけど。流石に栄養ゼロの土から育つような小麦は無理だからね?いや、魔力を栄養として育つようにすれば土の栄養はゼロでいいけど。魔力が多いところで育てなきゃ行けないから。魔物のテリトリーで農業しなきゃ行けなくなるし」
「それでじゅうぶんだから、そんな感じの小麦が欲しい。後、魔力を栄養として育つ作物も個人的に気になるからそっちも欲しい」
キュアノス島なら精霊に幻獣種が沢山いるのもあって魔力もだいぶ濃いし。
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