第14話
「そんな堂々とコウに喧嘩を売るバカ通り越して危篤な人間って居るの?」
俺がダンジョンコアは回収しないように言うことは出来るけど。俺のことが気に食わない勢力が壊しに来るかもよと言うと、セラスはこう言った。
「逆恨みとかなんかあいつ気に入らないって言う状態だと。冷静な判断ができなくなってる人が多いからね。じゅうぶんあり得るとお思うよ」
「まぁ、対策していた方が安全か」
セラスも納得して、最下層だけ難易度をあげるという事になったけど。毒が充満するアンデットフロアとか提案したら流石にそれはってドン引きされた。
「よくもまあそんなえげつないこと考えつくわね。ダンジョンマスターの私でもドン引きよ」
毒をフロアじゅうに充満させるぐらい誰だって思いつきそうだけどな。
セラス的には邪道な感じがしてお気に召さないらしいので、他の方法を考える。
「そもそも、攻略させる気がないって言うこと自体そこまで乗り気じゃないのよね」
元々はダンジョンは人間種に攻略させて人間種のレベルアップを促すのが目的だったな。
その目的から外れているダンジョンの方が多そうだけど。
ダンジョンマスターも、なんでも出来るダンジョンコアを取り上げられたく無いだろうし分からなくも無いけど。
「だから最下層だけ難しくするんだよ。別にダンジョンコアを手に入れたからってレベルが上がる訳じゃないし。別に完全攻略しなくたってレベルはあげられるわけだし」
セラスがダンジョンコアを使えなくなるのは俺も困る。折角、仲良くなってダンジョンポイントで色々作って貰おうと思ってるのに。
「確かに…。わざわざダンジョンコアをくれてやる必要無いわね」
セラスも納得してくれたみたいだし。後はやりすぎないように最下層だけ難易度を高くすれば問題ない。
あっそうだ!ベヒーモス(猪)丁度いいじゃん。ベヒーモス(猪)はこことはまた別の世界の魔物なのでダンジョンで再現してもらう等特殊な方法を使わないと、もうお肉を食べることが出来ない。
「ねぇ、丁度いい魔物がいるんだけど」
セラスにベヒーモス(猪)の説明をする。
「ガチでクリアさせる気無さすぎるし。ダンジョンポイントだって高すぎるから却下よ却下。そもそも、ダンジョンポイントが足りないわよ」
何となく予想は出来てたけど、ダンジョンポイントがネックか。なろう小説だと。ドラゴンを仲間にして、古くなって剥がれたドラゴンの鱗を貰ってダンジョンに吸収させて無限にダンジョンポイントを稼ぐ話とかあったよな確か。
「ダンジョンポイントってさ。外から持ってきた素材をダンジョンに吸収させるとかじゃ増えないの?」
「出来るけど。ベヒーモスレベルの魔物をリポップ有りで設置するには、それこそベヒーモスレベルの魔物を数十体丸々吸収させても足りないわよ。それでいてリポップさせるにもそれなりのダンジョンポイントが必要だし」
「なら、これを吸収させるのは?ベヒーモスをボスに設定してくれるなら定期的に俺の精霊石をダンジョンポイントのために渡すけど。勿論、定期的にベヒーモス(猪)を俺が倒すのも条件」
ドラゴンみたいに鱗は無いけど。この世界で最高レベルの素材。精霊石ならいくらでも作れる。
ダンジョンポイントに変換できない可能性も無きにしも非ずだけど。出来るならそれなりのダンジョンポイントになるだろう。
「コウが精霊石をくれるなら確かに可能だろうけど…」
セラスは以外に真面目なところが有るから。
この方法ずるっぽくない?と考えてほんとにいいのか考えているみたいだ。
「勿論、残ったポイントはセラスが好きに使っていいぞ。自分で食べるお菓子作ったり」
「それを先に言いなさいよ。その話のったわ」
ただしチョロい。
精霊じゃなくて悪魔ですねとメルが呟いてるけど気にしない。だってベヒーモス(猪)の燻製肉食べたいし。今のところ燻製肉にして1番美味しいのはベヒーモス(猪)だったのに。
もう食べられないって言うのはあんまりだ。
(僕もうっかりしてたんだけどさ。コウがベヒーモス(猪)の肉が完全に無くなる前に逆行の権能を使えば、お肉無くなること無かったよね)
「あーーーー!?」
フェムトの言う通りじゃん。完全に忘れてた。その通りじゃん。最近、権能は停止の方しか使ってなかったからすっかり忘れてた。対象の時間を巻き戻せる、逆行だって使えるのに。
「やることが出来た。メル、セラス暴れても大丈夫な開けたところに移動しよう」
ベヒーモス(猪)の肉はもうなくなっちゃったけど。それ以外は逆に全部綺麗に残ってる。
だからそれを元にして俺が倒す前まで、ベヒーモス(猪)の時間を巻き戻せばまたお肉が確保出来る。
俺が突然大声を上げたせいでびっくりして固まっているメルとセラスを連れて、ベヒーモス(猪)と戦っても問題ない場所に移動する。
ベヒーモス(猪)の素材を収納魔法から取り出して逆行の権能を使って俺が倒す前まで時間を巻き戻す。
「よーし。これで俺の魔力を消費するだけで食べ放題だ!」
無事、復活したベヒーモスを瞬殺してそう叫んだ。
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