第7話
「結構大きな滝だねどれだけ下に落ちるんだろこれ?水飛沫が凄くて下が見えない」
筏が進むにつれて水の落ちる音が大きくなっていき、滝が視認できる今では隣にいるのに大声で話さないと声が聞こえないレベルの轟音が鳴り響いてる。
「滝に落ちる前に陸に上がることはできるけど、あからさまに降りてくださいと主張してる場所とかは見当たらない。私たちは飛べるし、そのまま滝に落ちるのもありじゃないか?」
地面に水が叩きつけられるような音はしてる訳だから下は有るって考えて良いのかな?
ダンジョンだから絶対と言えないのが怖いけど。
「そうするかぁ。下を確認して何も無ければ戻って来ればいいし」
と言う訳で特に何もせずに筏が滝に落ちるまで待機。
理想はスプラッ〇ュマウンテンのラストみたいな感じになる事が理想だけど、落ちた瞬間に筏は空中分解するだろうから、そこからは自分達で飛んで滝の下を目指す。
遂に筏が滝に到着する。筏は速度を変えずゆっくりと進んでいく。筏の半分以上が空中にでたところで先端が下を向き、一直線に落下して行った。筏は落下し始めて直ぐにバラバラになる。
それに加えて人間サイズの岩がゴロゴロ水と一緒に流れてくる。
あんなサイズの岩川下りしてる時は1度も見なかったんだけど、どこから現れたんだろう。ダンジョンだしそこを気にしたら負けだろうな。
自分たちは筏が滝に落ちた瞬間自分たちで飛んで滝から離れてるので被害を気にする必要は無い。
「それじゃあ下に何かあるのか調査しに行きますか」
落下する水の中に石が混じっている以外は特に妨害もなく順調に下に降りていく。
石なんて混ぜなくても水が落ちてくる勢いだけで普通に死ねると思うんだよね。ここまで来れるレベルの人だとこのぐらいなら問題無かったりするのかな?
「成程、こうやって次に進む道が出来るのか、他の方法もあるのかも知れないけどこの方法だと筏は必須ぽいな」
下まで降りると元筏の丸太たちがいい感じにかさなって、滝を遮り滝の裏にある道を出現させていた。
「7階層はルートが複数ある可能性が高い。今回、陸の部分は探索してないからそっちから行けるルートも存在しそうだ」
今までの階層は俺の知る限り下に進む階段が複数存在するという事は無かったけど、この階層に複数下に進む階段がないとなると、陸地部分はなんの為にあるの?景観のため?
それにしては気合い入りすぎじゃない?って感じなので俺も陸地部分から下の階層に進むギミックもあると思う。
「陸地部分は暇な時にでも探索するとして今回はこのまま洞窟に侵入しよう。階段を守ってる魔物はどんなやつなのかな?虫系かな?モグラとか?人型もじゅうぶん可能性あるか」
どんな魔物が待ち構えているのか。ワクワクしながら洞窟を進んだが…。
「ボス戦どころか魔物が1匹も出てこなかったから戦闘すら起きなかった」
魔物と1度も遭遇せずに下に降りる階段まで辿りついてしまった。
「この階段が罠ってことは無いよね?」
「少なくともフェムト様に貰った罠に反応する魔道具は一切反応してない」
じゃあこの階段は罠じゃ無くて本物の階段か。
「普通ならかなりの高さの滝を落ちて生き残るのは難しい。言ってしまえば滝から落ちて生き残るのがボス戦だったんじゃないか?」
自分で飛べればなんてことは無いけど、700mぐらいはあったかな?その高さから飛び降りて生き残るってのは確かに難しいのか?魔法があれば割と行けそうな気もするけど。
落下してる間に冷静に魔法が使えるのか?ってことも考えれば、難しくはあるか。
「その代わりボス的存在な魔物との戦闘は無しってことか。個人的には戦闘があった方が良かったな」
魔物の素材って優秀だし。美味しかったりするから。
「元々、階層事に階段を守護する魔物がいるこのダンジョンの方が本来珍しいんだ。普通は、なん階層か事にいたり。最下層にだけいるものだからな?」
確かにそんなに多くのダンジョンに潜ってるわけじゃ無いけど。階段を守護する魔物がいる方が珍しいだったな。
ここも、1、2階層には階段を守護する魔物はいなかったし、7階層は階段を守護する魔物が居なくてもおかしくは無いか。
「次の階層に期待するか」
ここで文句を言っても魔物が出てくるわけ無いので気持ちを切り替えて下の階層に向かった。
「溶岩が隣に流れてる階層ね。水属性魔法で冷気を纏ってるから大丈夫だけど、それがなしだったら長居はしたくない階層だな」
火山ってなると鉱石とか宝石の採掘もできるにかな?
「あ!魚が跳ねた。溶岩の中を泳げる魚もいるのか。食べれるのかなあれ」
火山で手に入りそうな物って何かな?と考えていると溶岩を自由に泳ぐ魚が視界に入った。普通、焼き魚になっちゃうと言うか消し炭になっちゃうと思うんだど。
なんでそうなんないんだろう?
溶岩を泳げるってすごいな〜。
憧れはしないけど。
火山には素材採集をする為に行ったことは無いから新しい素材も沢山有るだろう。
読んでいただきありがとうございます。
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