第38話

ダンジョン入っているのに別のダンジョンの話をするのはどうなの?という事でこの話はまた今度という事になった。


「で、もう夕方だし。ダンジョンから出る?それとも、野営して明日もこのダンジョンの探索を続ける?」


このダンジョンずっと同じ坑道風で目印になる物がないから転移魔法を使ってショートカットができない。

なのでここで地上に戻ると、今度来る時また一階層目から始めなきゃいけない。

俺以外全員先が気になるとい言う事でダンジョンで野営して先に進むことになった。


「これが、風の精霊達が凄い噂してた例の燻製肉ですね。燻製自体を食べたのは初めてですが確かにお酒にあいます」


「燻製肉美味しい」



リースさんとロスさんが例の燻製肉を食べたいと言ったので2人に渡した。

いくら余裕だからってお酒を飲むのはどうかと思いますよ?まぁあのお酒なら酔わないだろうし、問題無いだろうけど。


野営は特に問題なく終わって、ジュエルドールを見逃さないように討伐しつつどんどん下に降りていく。

今は20階層まで降りてきてるけど変わらずずっと坑道風のフロアから変わらない。

ジュエルドールは階を降りる事に宝石の質が少しづつ上がっているらしい。

ロスさんが言っているから確実だろう。

俺は見ても分からないくらい少しの違いだけど、フィアたちはしっかり気づいていた。


「このアイアンゴーレム超微量だけどミスリルが含まれてる」


出てくる敵は相変わらず、アイアンゴーレムとレアキャラのジュエルドールだけだな〜と思いながらアイアンゴーレムを討伐していたらロスさんからそう言った。

成程、アイアンゴーレムもちょっとずつ強化されてるのか。

なんだったら一気にミスリルゴーレムになればいいのに。

ミスリルが含まれているとはいえ微量すぎて強さは全く変わらない。


それにしてもこのダンジョンは深いな。1層ごとの広さは大した事ないし魔物も弱いけど。

その後30層まで降りてきたけど特にアイアンゴーレムのミスリル含有量が25%ぐらいになったり宝石の質が俺でもわかるぐらいに上がった以外何も起きない。


「この大きなドア、どうやら次はボスフロア、ここまで1度もボスが出てこなかったことを考えるとここが最奥かもしれないな」


最奥なのは良いけどボスは大して強くないだろうなこのダンジョンの難易度だと。


ボスフロアに続くドアを開けて中を確認するとボスはミスリルゴーレムだった。

もしかしたらそうかもなって思ってたけど予想どうりだった。


ミスリルゴーレムなんて相手にもならないのでサックリ討伐。

流石にミスリルゴーレムを放置するのは勿体ないので収納魔法にしまった。


「なんか出てきた!?」


ミスリルゴーレムをしまったらバスケットボールサイズの黒い水晶のような物がでてきた。


「ダンジョンコアが出てきたという事は予想通りここが最終階層だったみたいだな」


ダンジョンコアはダンジョンの最奥にいるボスを倒すと出てくる物で、これをダンジョンの外に持ち出すとスタンピードが起きなくなるらしい。

スタンピードが起きなくなるのは安心できるな。

そう考えるとフロンのダンジョンを攻略してあげたいな。

今はやりたいこと自由に出来るから早めにフロンダンジョン攻略するか。

ダイワの海底にあるダンジョンも気になるけどフロンのダンジョンの方が優先度高めかな。


「それにしても、薙刀の柄に使える素材は手に入らなかったな」


元々はコノハのお母さんであるスズカさんの新しく作る薙刀の柄の素材が取れればな〜と思ってダンジョンに入ったけどゴーレム系とジュエルドール系しか出なかったから柄に使えるような素材は手に入らなかった。


「それなんだが。クラーケンの軟甲が使えるんじゃ無いか?あれならしなりも使えるし強度も高いだろう。それにヤマタノオロチもクラーケンも水属性の魔法が得意な魔物だから相性がいいかもしれないぞ?」


普通のイカの軟甲だったら強度が無さすぎて使い物にならないけど、クラーケンの軟甲は中々硬かったし、素材どうしの相性が良さそうって言うのも何となく理解出来る。


「あとはそれに今回倒したミスリルゴーレムを渡せばじゅうぶんかな?」


みんなもそれで良いんじゃない?との事だったので渡す素材は決定した。


「そういえばダンジョンコアってその国の王様に献上するんだよね?」


ダンジョンを攻略して手に入ったダンジョンコアはその国の王城で厳重に管理されてるって話をさっき聞いたし。


「この島はどの国にも属してないから、コウが自分で管理しないと」


そう言えばそうか、もしどこかの国に保管してもらうにしてもダンジョンのことを話さなきゃいけない。ってなるとダンジョンを冒険者に解放して欲しいっていろんな所から言われそう。

自分で管理するしかないか。

ダンジョンコアは生きてる判定なのか収納魔法でしまえないし、この島に保管できる建物を立てる必要が有るか。

中に許可が無い人が入ったら凍りつくようにすれば防犯もバッチリだろう。


あとから、移動させることもできるし、取り敢えず精霊門の近くにダンジョンコアを保管する建物を作ることにした。




読んでいただきありがとうございます。


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