第49話

「もしコウが暴走したら僕が殴ってでも止めるから安心して」


今の俺ってそこまで信用ない?

さっきの状態でだって無理にモフろうとかするつもりは無かったよ?モフらせてほしなー

もしモフらせてくれたら凄い気持ちいいんだろうなーって思っただけで、決して許可も得ずいきなりモフるつもりは無かったよ。


「里にいる間コウはずっと料理させてた方がいいかもしれないね」


思わずなんで!と叫びそうになってしまったけど、ここで叫んでしまったら本当に料理をずっと作らされることになる。冷静になるんだ俺!


結局、白虎達から1番離れた位置に移動させられた。


白虎達の案内で白虎達が暮らす里に到着した。


俺?流石の流石に落ち着きましたよ?

あれは初対面の人に向ける感情じゃなかったなと反省して里にいる間はずっと料理を作っている所存です。


最初から宴会の方に参加しないのも問題になりそうだったから最初の方だけ参加して騒がしくなってきたところで静かに退散、離れたところで調理器具を取り出して、何作ろうかな?と考える。


「1つ目はフライドポテトにしよう。無性に食べたくなってきた」


じゃがいもの皮を向いて、小麦粉と片栗粉を混ぜた粉をまぶして油であげるだけなのですぐに出来る。


まずは塩を振ってそのまま食べてみる。


「たまに食べたくなる味だよね。フライドポテトって」


少し前に作ったトマトピューレをつけて食べても美味しかった。

気づいたら揚げた分を全部食べてしまっていたので、他の人も食べれるようにじゃんじゃんフライドポテトを作っていく。


「フライドポテトはひとまずこれでいいかな。油が勿体ないしオーク肉を使ってトンカツでも作るか」


油自体そこまで汚れてなかったのでそのまま揚げ物を作ることにした。

マルタが倒したオークをディアーネさんに解体しておいて貰ったのでオークのロース肉を使ってトンカツを作る。


まずはオーク肉の筋を切って包丁の峰を使って両面叩く。

こんど肉叩きを作ってもらおう。と言うか調理器具で作ってもらいたい物が沢山あるから相談して色々作ってもらおう。


オーク肉に塩コショウを振って小麦粉、卵パン粉をつける。


後は油できつね色になるまであげれば完成。

作っておいたキャベツの千切りの上にトンカツをのせる。


勿論1つ目は自分で食べる。


ソースがないので、塩で食べる。


「思った以上に肉が柔らかいし、油っこくない。あんな見た目してるのに結構美味しい」


トンカツを塩で食べるのも美味しいけど、やっぱりソースでも食べたい。どこかでソース作られたりしてないかな?


「ソースが無くても人気になるだろうし、トンカツも量産しておこう」


ある程度トンカツを作ったところで1度小休止することにした。


「後、何作ろうかな?揚げ物は今回もういいかな。そう言えばクジャタの牛タン食べてなかったな、普通にねぎ塩で食べても美味しいけど、今回は厚切りにしてバター醤油で味付けしよう」


厚切りの牛タンを用意して格子状に浅く切れ込みを入れて塩を振って揉む。


フライパンに油を引いて薄切りにしたニンニクを入れて香りが出るまで炒める。

牛タンを加えて焼き、色が変わったら裏返し焼く。


最後に醤油、黒胡椒、バターを入れて炒め合わせれば完成。


「厚切りの牛タンなんて滅多に食べれなかったから幸せ、仙台で食べた牛タンより上手いかも!」


料理の腕は全然だけど、素材が良すぎるから

凄い美味しい料理になる。

でも、この世界に来て料理が少しは上手くなった気がする。


「どんぶりに白米をよそってその上に今料理した牛タンをのせて牛タン丼、そして清酒も用意」


また料理を1次中断して牛タンを思う存分楽しんだ。


「いやー牛タン美味しかった。近いうちに今度はねぎ塩で牛タン食べよう」


既にまあまあ時間は潰したけどメルはまだ来ないので、まだ料理を作る時間が有りそうなのだ。

次は何を作ろうか真剣に考える。

厳正な審査の結果豚肉のピカタに決定した。


薄めに切ったオーク肉に小麦粉を振った後、

卵、小麦粉をボウルに入れて混ぜたらそこに小麦粉を振ったオーク肉をくぐらせて、あらかじめ油を引いて熱しておいたフライパンで

表面に薄く焼き色が着くまで焼けばピカタの完成、トマトピューレをかけて食べよう。


「美味しいけど、今日は色々作りすぎてもうお腹いっぱい。でも作りたい料理はまだあるから作る明け作って、収納魔法で保存しておこうかな」


肉じゃがとか焼き餃子とか作りたいなという料理はまだまだある。

収納魔法なら時間停止させて保存できるので

、今作っても、収納魔法で保存しておけばいつでも出来たてを食べることが出来る。


フェムトに持ち運びできるオーブンも作って貰えば、グラタンとかも作れちゃうな。

そんな事を色々と考えていると後ろから声をかけられた。


「コウさん1人で何やってるんですか?」


声に反応して後ろをむくとメルが立っていた。特に怪我もしてなさそうなので安心した。


「料理を作りたくなって1人で作りまくってた。一緒に白虎たちのところに行こうか。今片付けするからちょっとまってて」


料理する為に出した調理器具をしまってメルと一緒に白虎たちが宴会しているところに向かった。



読んでいただきありがとうございます。




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