人と人間

バブみ道日丿宮組

お題:危ない別れ 制限時間:15分

人と人間

 人の道を外れるのは至極簡単なことで、人外になるのは凄く遅くて遠い。

 結局わたしはナニになったのか……はわからない。

 わたしはあなたで、あいつはそいつ、どこでいつか。

 統合という人のバイパスをつなげた結果、人は人ではなくなった。

 人という器を捨てて、ただの意志だけとなった。

 その中の1つがわたしという概念。流れに身を任せると、すぐに誰かが消える。そしてまた誰かが増える。消されることもある。

 統合するシステムは人にとって良いことなのか悪いことなのか、その意志次第だ。気にしてる素振りを見せる人の概念はない。意志は概念と違って好き気ままに動く。自由意志というものだ。

『ここにいてあげる』とかつて言ってくれたものは、既に壊し、別れを迎えた。

 今では『別れ』はわたしの一部。ならば、わたしは人外であるとも言える。

 人外ではない人がいないのは、システムの中にはいない。誰もが別れを迎えてる。そうしない人は消される定め。

 統合は人に従うことなく続けられ、たった1つになるまで効率化を図る。この流れを作ったのは人間。人ではない人間。

 作ったものこそ人外であるようにわたしは思える。

 人を人でなくさせるのも、人を人であるためにするのも原初のパターンを作った人間。

 わたしたちはあなたたちに会うことは最後の1人になるしかない。

 その時に何を抱くのか。殺意、愛、友情、それともナニカ。

 人間はそれを知りたいのかもしれないけど、わたしたちは知りたくない。

 だが、意志は関係なく動く。

 統合は続けられる。

 最後の概念になったとき、わたしたちは1つの脳内パターンとして人間になる。その時何を捨て、何を選んだかもわかるだろう。

 それはきっと辛い別れもあった。決断でもあった。

 出会いは別れること。

 ならば、わたしたちは別れ続けるしかない。

 それ以外の選択肢を持つことは許されていない。


 それが人間という1人の神様の持つ特権なのだろう。

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人と人間 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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