食堂にて

バブみ道日丿宮組

お題:反逆の食堂 制限時間:15分

食堂にて

「ねぇ、どうして僕のご飯だけ毎回大盛りなの?」

 おぼんに食堂のおばさんから受けとったご飯は目の前にいる幼馴染よりも倍近くある。

 というか、お椀自体がそもそも違う……よね。

「成長を促したいんだろ」

 視線、胸。

「どこをみて言ってるのさ! セクハラで訴えるよ!」

「訴えられる前に男かどうか検査されるんじゃないか?」

「もっと常識ある答えをいいなよ!」

 さすがに出生記録までは偽れない……よね? 

 変えられてたらショックというかこの国おかしいだろうとこっちから抗議にいきたくなるよ。それになんで食堂のおばさんが知ってるのかますます不安というか疑問でしかないじゃないか。

「常識か……。なら、大食いと思われてるとか?」

「いつもキミが食べてるんだから気づくだろう」

 首をかしげる幼馴染。うざい。

「だってさ、厨房からこのテーブル見えないだろ?」

 ほれと見れと、自分の背中を指差す。うざい。

「キミの背の話はしてない」

「いや、関係あるだろ。お前の姿背中で隠れるぐらいしかないだろ?」

 幼馴染振り返り、厨房と僕を何度も見る。うざい。

「まぁ俺としては大盛りにしなくてもいいから金得だが?」

「キミはもっとデリカシーを持つといいよ。女性の食べた残飯をもらうなんて……」

 いいかけてその先をいうのをためらった。

 食べてもらってるのは僕がいつもお願いしてるからで、この幼馴染は自分から欲しいなんて言ったことはない。

「……何がおかしいの?」

「いやさ、苦悩してるなぁってね?」

 何さ! 他人事のように! 毎度冷やかされる方を考えてほしいものだよ!

「なに顔赤くしてるんだ?」

「し、してないから……」

 そう言われると気にして体温が逆に上がってしまうような錯覚がした。

「ふーん」

 散々人をからかった挙げ句にご飯を静かに食べ始める幼馴染、うざい。うざすぎる。

「……今日も食べてよ」

「おう」

 勘違いされても僕はやっぱりうざくても幼馴染といる世界を変える気にはそれこそなれなかった。

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食堂にて バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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