事件発生

バブみ道日丿宮組

お題:汚れた車 制限時間:15分

事件発生

 どこかで一回転でもしたのか駐車場にある車は傷跡でいっぱいだった。

 しかも普段見慣れない外車。しかも他の車はパンクしてるのか傾いて見えるから、よりいっそうきちんとしてる傷跡だらけの車が目立った。

「……誰のだろう」

 学校に訪問する人は限られてる。

 傷跡以外とても高そうに見えるから大事にされてるようなされてないような?

「どうしたん?」

 肩越しに振り返ると幼馴染の姿。

 下駄箱にこないから様子を見に来たんだろう。

「えっと見たことない車があって」

「うーん、あれかぁ確かにみたことないなー」

 幼馴染はいってから、

「車なんて気にしてる暇ないよ、遅刻しちゃう遅刻」

「う、うん」

 私の手を掴んで、視界から車を引き剥がした。


「なにこれ……?」

 教室にたどり着くと、血まみれだった。おまけに窓が割れてる。

「誰かが暴れたとか?」

「違うと……思う」

 男子たちが喧嘩してもこんな量の血が出るとは思えない。

 致死量……そう人が死ぬ血。

「警察に連絡したほうがいいかな」

「そうだね」

 幼馴染は携帯電話を取り出すとすぐに110番に連絡した。

 ほどなくして警察官がやってきたが、すぐに私たちは家まで送られた。

 


「今日のあれなんだったのかな?」

『うーん、教師も生徒もいなくなったみたいね』

 カチカチというキーボード入力の打鍵音が聞こえてくる。

「ネットの情報?」

『うん、近くで何があったか調べてるんだけど、神隠し……? そんな情報が出てる』

 神隠し……。

「だったら、あの血はなんだったの? 事件だと思う」

 犯人はおそらくあの朝見た車。

「あの後誰とも会わずに教室についたのはおかしい」

『確かにね。いつもならざわざわしてるよね』

 朝早くきたわけじゃない。遅刻ギリギリの時間。

 誰もが朝の会がはじまるのを待つ……そんな時間人がいないなんてありえない。

『明日から自宅待機って警察言ってたよね』

「うん、理由は教えてくれなかったけど、絶対関係あるよ」

『そうだね。本当に神隠しにあったなら家にいたとしても関係ないからね』

 人が消えて血だけが残った。

 そして警察による保護、事件以外に考えられる要素がない。

「明日学校に行こうと思う」

『現場に行かないとわからないね。ただ……』

「ただ?」

『外にいる警察をまかなきゃいけないかな』

 その言葉で窓から下を除くと、人影が見えた。

「……なんとかしないと」

 私たちは学校に行くための方法を朝まで話し合った。

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事件発生 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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