とらわれの幼馴染

バブみ道日丿宮組

お題:斬新な唇 制限時間:15分

とらわれの幼馴染

 少年が入った家屋では人間パーツが棚にならんでた。

 年号と月日が記入され、キレイな状態で保存されてる。少年はその1つにふれると確かな熱を感じた。人間が持ってるものと同じ。

 ただ……そこに生命がないことも少年は理解してた。

 ここにきたのは幼馴染の少女を探してのこと。人さらいと噂される家屋に不法侵入。見つかったら、犯人でなくて激怒されるのは当然。罰則として警察を呼ばれるのは間違いない、と。

 だからこそ、少年は静かに中を探索した。

 時刻は夕時、この時間での人さらいが多いと言われる。つまりは、家屋にいない可能性が高い。そののぞみをかけて少年は足を進ませた。

 手、足、頭、眼が少年を次々に向かい入れてくる。

 眼は本当に不気味で、瞳が動き少年を見つめてきた。

 少年は幼馴染のために頭に浮かぶ恐怖を必死でかき消す。

 もっと危ない状態になってるのは間違いなく幼馴染であって、ボクではないと少年はゆっくりと進む。

 そしてついにたどり着いた。

 いかにも何かが入ってる鉄格子の窓がある部屋。

 少年は窓から幼馴染の姿を探した。

 声もかけてみるが、反応はなかった。

 衣服のようなものが燦爛してることからここの住人はパーツに変わったのかもしれない。

 ひょっとすると幼馴染も……と暗い考えが少年を襲ったが、次の部屋を目指した。

 今度は普通の扉だった。鍵もかかっておらず、少年はゆっくりと開けた。

 中は電灯があるためか明るかった。

 そのおかげで幼馴染が椅子に裸で縛り付けられてることをはっきりと見てしまった。

 お互いそういうことをしたことがなったからか少年は体温があがるのを止めれそうになかった。

 幼馴染に近づいてなんとか声をかけることだけができた。

 それでも目隠しされた幼馴染には少年を少年と認識できなかった。ここに入れられてる間になにかされたのだろうと少年は目隱しをとり、拘束もといた。

 ぺたりと床に座り込む幼馴染はとろーんとした表情でこちらを誘う魔女のように少年は感じた。

 いつかそうなることもあるかもしれないと、少年は唇を重ねただけで幼馴染を背負った。


 少年はなんとか外まで見つかることもなく脱出すること出来た。

 そしてそのまま少年の家に幼馴染を匿うことも成功した。

 あとは警察に届けを出すだけ。

「大丈夫……?」

「……」

 ただ幼馴染は声を出さない。いつも楽しいお話をしてくれたのにどこかを見つめるだけで、何をされたかを聞くことも出来ない。

 親がきたとき、事件は事件として報告するということなので、幼馴染は病院へと移された。

 

 それから少年は毎日のように通った。

 

 そして犯人が捕まったとき、幼馴染は高熱をだして意識不明状態へと陥った。

 まるでリンクしてるーーそんな気配をだしてーー

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とらわれの幼馴染 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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