内側の感触

バブみ道日丿宮組

お題:名付けるならばそれは内側 制限時間:15分

内側の感触

 最初の一歩は偶然だった。

 振り回してたら刺さった。そんな事故。狙ったわけじゃない。だから、誰からも責められなかった。いいことではないのは確か。

 だって、下手をすれば脳を貫通してたかもしれない。

 手に残った抉る感触は今も残り続けてる。

 私が母親の手伝いをするのは、その感触を忘れないようにするためだ。お腹にある内側の肉を切る。人のものとは異なるけど、やってることは変わりない。

 もちろん、肉に眼はついてない。眼があるとしたら魚になる。魚の眼は潰してもきっても感触はつまらない。

 生きてる魚であれば、まだ興奮感も生まれるかもしれないけど、やっぱ赤い生肉が一番。

「……ん」

 見つからない方法は、最近友だちになったお姉さんが教えてくれた。

 いなくてもいい人間であれば、何をしても構わないって。お金さえあげればいうことを聞いてくれる人間。自分の肉体をどうでもいいと思う生物。私とwin-winの関係。

 間違って脳まで達したこともあったけど、大丈夫。最初からいない人は後からいなくなることもない。産まれたことが間違いであって私はその処理をしてるに過ぎない。

 そう思ってたのだけど、お姉さんの言う通りいなくなる予定の人間は隔離されてしまった。ネットで調べてみると、原因不明の死として報道されてた。

 やりすぎたかなってお姉さんに相談をそのあとした。

 お姉さんはそれができる場所を作ってくれると言ってくれた。ただ時間がかかるから少しだけ待って欲しいと。

 そしてつまらない学校生活を数日過ごすと、連絡が入ってきた。すぐに私はお姉さんのところにいった。学校の先生が怒声を背中に浴びせてきても無視した。授業なんて退屈。それがわからない人間に教えてもらうことはなにもない。

 そう……どちらかといえば、お姉さんに教えてもらったことのが多い。

 待ち合わせ場所は駅前だった。

 相変わらず派手な服装のお姉さん。私も大人になったら、銀色がたくさんついた服とアクセサリーをつけたい。お金は払ったりもらったりでなかなか貯まらない。

 そんな私をお姉さんは知ってるのか、今度は報酬がもらえると言ってくれた。

 その額は私の知らない世界だった。

 なんでも我が国に居場所がない人間だから、処理すると国から資金が降りるとのこと。

 私は嬉しくなった。

 好きなだけいじることができるなんて、夢のようだ。

 ただ融通はきかないようで私はお姉さんの所属してる機関に配属することになった。両親にそのことを話すと青ざめて、私を閉じ込めようとした。

 だから、私は外に出た。

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内側の感触 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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