第5話
「分かってくれた? 私が必死になって回避しようとする訳を?」
「えぇ、良く分かりました。あともう1つ教えて下さい。各ルート毎の...なんでしたっけ? 攻略対象者? と、アクンジョ様の関係って一体どうなっているんですか? それぞれと深く関わっていたりするんですか?」
「そうね。まず1人目、プリーンス王子と私は婚約者同士って関係よ」
「えっ!? そうなんですか!? じゃあラブラブなんですね!?」
「いいえ、残念ながら良い関係とは言えないわね...私はプリーンス王子に嫌われてるから...」
アクンジョが遠い目をした。
「そうなんですね...」
「次は2人目ね。宰相子息のインテーリ様とは子供の時からの知り合いなの。所謂幼馴染みってヤツね」
「そうなんですね。じゃあ仲良しなんですか?」
「いいえ、彼にも嫌われてるの...」
アクンジョはまた遠い目をした。
「それはまた...」
「次は3人目ね。騎士団長子息の名がノーキン様とは従兄弟同士なのよ。彼とも子供の時からの知り合いね」
「そうなんですね。じゃあ今度こそ仲良し...」
「じゃないのよ...子供の時から嫌われてるわ...」
「......」
「次は4人目ね。魔道騎士団長子息のマジーカル様は異母兄に当たる方なのよ」
「異母兄ってことは...」
「えぇ、関係は最悪ね...」
うん、段々分かって来た。
「次は5人目ね。義弟のブラザーは私が王家に嫁いだ後、我が公爵家を継いで貰うために親戚筋から養子を取ったのよ。私って1人娘だから」
「あぁ、良くありがちなパターンですね...それが気に入らなくてアクンジョ様が虐め抜いてしまってやっぱり最悪な関係に...」
「いえ? なってないわよ? 関係は至って良好よ?」
「なってないんかーい!?」
ビックリだよ!
「えぇ、だって私虐めたりしないわよ? あなたならともかく」
「そこは全員と仲違いするために虐めるところでしょうがぁ! あと私ならってのはなんだぁ!?」
思わず突っ込んだ私は悪くないと思う。
「そう言われても...」
「...まぁ、いいです...とにかく! 私のことを虐める虐めないは取り敢えず脇に置いといて、まずは攻略対象者達と仲良くする方が先決じゃないんですか!? じゃないと、結局は死亡エンドに近付いて行ってしまうんじゃないんですか!?」
「そうなのかしらね...でも...どうやったら仲良くなれると思う?」
「いや、知らんがな...」
私に聞いても分かる訳がないだろ! 自分で考えろや!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます