さよならヒーロー

第1話

子供の頃、プロ野球選手はヒーローだった。

ひいきチームの選手はもちろん、他球団の選手でもヒーローである選手は沢山いた。

「♪子供の頃に夢見た姿は、今も昔も変わらぬままさ～」

パ・リーグ連盟化の「白いボールのファンタジー」の一節だが、まさしくその通りだ。

おっさんになった今でも、子供の頃に憧れた選手は、輝いて見える。

変わらないのだ。

しかし、人は歳を取る。

そして、やがては寿命をまっとうする。

そして、旅立って行く。

またひとり、ヒーローが旅立った。

最後まで、変わることなくかっこよかった。

「これ以上、何を望む？

何も無いよ」

自分もそうありたい・・・