異世界転生したが俺の魔法がおかしい件

第1話

　異世界転生…生前の日本でそれなりのブームが有ったジャンルである。

　自分もそれなりに思いをはせた事は有るがまさか自分がとは思わなかった、事実は小説より奇なりとは良く言ったモノだ。

　ここは日本と言う国でも無く地球環境とも違った異なる世界、《セラスティア》魑魅魍魎が跋扈し生存圏の侵略が常態化する世界、武器と魔法、異能が飛び交う地に産まれ己と部族が生き残る為に血で血を洗う闘争に身を置く事となる。

　前世、日本で死を迎えた後に神と言ったモノとの謁見と言われるものは無く直ぐにこの世界に生誕した、記憶が戻ったのは大体３歳頃、わりと危険な崖崩れに巻き込まれ意識不明の重体で生死を彷徨った時だった記憶が戻った瞬間は『あっ、無理かも』と思ったがギリギリ生還できた生きてるって素晴らしい。

　と思ったのは齢１０歳頃の魔法回路解放の儀式迄だった、この世界は生存競争が激しく、魔法回路解放した戦闘要員はもれなく生存圏の最前線に送る為の新兵訓練と言う最初の地獄を経験する為だ、其はもう昔見た『フルメタル○ャケット』を彷彿する程である。

　違いは上官が強すぎて不意討ちすらそよ風の如く流されて訓練量を増やされる事だろうか？今でもあのあっけらかんとした声で『うん？此だけ元気が有るなら訓練レベルを上げても生き残る事が出来るな！はっはっは』と言う悪夢にうなされる。