第7話 キョウイチ①

 思えば、政治家みたいな偉い人たちの中には、気づけば逮捕され、気づけば檻に入れられた人もいるだろう。そういう人たちの多くは、憂鬱ゆううつな気分になったはずだ。彼には、そんな人たちの気持ちが今は容易に想像できた。


 だが、彼の置かれている状況は、犯罪を犯して逮捕された多くの権力者と全く異なっていた。なぜなら、キョウイチは前代未聞のデスゲームに強制的に参加させられたからだ。


 彼はこのゲームにおいて最初から、ほかの死刑囚の誰とも組まないでおこうと決めていた。うまくヒントを活用しつつ、全体会議で他の人を追い詰めればいい。そこでヒントが与えられる時間になる頃まで寝ようとした。しかし、眠れない。なぜ眠れないのか、それはすぐにわかった。アオイの情報についてひっかかるものがあったからだ。

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