第3話 ミチコ①

 彼女はイライラしながら、巨大液晶モニターを睨んでいた。液晶画面には、【参加者7人中6人接続済み】とある。これは言い換えれば、一人がまだ、モニターに接続していないということだ。


 彼女が先程、ぬいぐるみから聞いたルールの説明は、以下の通りだった。


ルールその一

参加は強制で、生き残るのは七人中二人。勝者は、無期懲役、刑務作業からの解放という二つの権利が与えられる。


ルールその二

誰かと協力するのも裏切るのも自由。


ルールその三

このゲームにおいて、罪を暴かれた者は死ぬ。


ルールその四

自分以外の罪を暴くためのヒントは毎回、一個獲得できる。その際に誰のヒントを得たいか選ぶことができる。


ルールその五

各自が入手したヒントをもとに全体で話し合う全体会議で、誰の罪を暴けるか推理をする。その際に使うのは各自の部屋に設置された液晶モニターである。


ルールその六

全体での話し合い、つまり全体会議以外の自由時間は、1対1の液晶モニターを使った話し合いに限り、いつでもできる。


ルールその七

話し合いは全て液晶モニターを通じたチャットでのみ行われる。


ルールその八

脱走及び部屋の中にある物を破壊力しようとした者は処刑される。



 ルール八についてはよくわからなかった。首輪もないし、爆発物のようなものも部屋には見当たらない。加えて、全体会議におけるルールは、その時になったら説明されるということが分かった。しかし、彼女はそれらのことなんてどうでも良かった。このゲームとやらに勝てばいい。七人全員の接続が完了した瞬間、彼女の目は獲物を品定めするライオンへと変化していた。

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