第10話 「人外領域」

太陽が落ちた死の都。

屍躰使いネクロマンサーに掴みかかっていた野伏レインジャーの背後から、脚の動きが気持ち悪いドワーフが現れた。

死角を取られてなお野伏レインジャーはレベルアップにより得た第六感技能により、すんでのところで屍躰使いネクロマンサーを突き飛ばし跳躍、背後からの攻撃を躱した。

野伏レインジャーは直ちに戦闘へと意識をシフトし、ドワーフへと速射を試みる。


ドワーフはDDR(ドワーフ・ディケイド・レヴナント。屍霊術によって動かされるドワーフの腐乱死体。竜神への宗教儀式を信仰プレイするその姿、もはやドワーフではない)となった今よりも感覚器官がついていた生前の方が攻撃への反応が良いことは分かっていたが、既に反応ありきで戦闘行動をしているわけじゃない。

主人である屍躰使いネクロマンサーのレベルアップの末に気持ち悪い動きを極めつつあった。脚の移動は最低限、つま先と踵を駆使して野伏レインジャーの高速16連射を捌き切る。


戦闘速度でも隠密を可能とする野伏レインジャーの姿を捉えきれずDDRは攻撃を加えることができない。一方で気持ちの悪いステップにより攻撃を受けることもない。両者の戦闘は平衡状態にあった。


だが長い錫杖を持った屍躰使いネクロマンサーが、とにかくすごい屍霊魔術でDDRの肉体を改変した。


ドワーフは脚だけでなく目も進化した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る