地球最後の生命体

 君には大事にしてもらったが、それでもやはりここにいるのは合わなかった。だから窓が開いた途端空に向かって飛び立った。怒声がする。待てという声が聞こえる。何人も何人もの声。当然だろう。羽の生えたヒトなど珍しいのだから。囲って研究をしたくもなるのだろう。しかし。

「あ」

 そう思えていたのは初めの数分だけで、ただ空が灼熱で自分が守られていただけなのだと気がついたのは、羽をボロボロに焼かれ地に落ちてからだった。

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