墓標

背の高いすらりとした緑に

白いテッポウユリを見て

なにかの墓標のようだと脈絡もなく浮かんで訝しんだ

あちらこちらの家の庭先

公園の柵

ひっそりとうつむいた白

沈黙の白


墓標というからには誰かが弔っているのかと思うが

テッポウユリはしずかに佇むばかり


白いテッポウユリの墓標が立ち並ぶ

夏が逝く

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