魔将は嗤う
瀬戸内弁慶
主要人物
〈朝廷(藤丘家)〉
・
主人公。禁軍第五軍の将、鹿信が一子。
寡黙で朴訥ながら、生真面目で才智に長けた秀才。
初陣として順門府討伐に従軍するが、次第に己と現実の乖離に苦悶を深めていく。
・上社
信守の父。禁軍第五軍を指揮する猛将にして卿に叙せられる朝廷譜代の臣。
我が子でありながら信守とは一線を引いた関係。
・
上社家の家宰。内々の事から軍務まで幅広く司る。
主君父子の関係に心を痛めている。
・帝
今生の帝。偉大な先帝たる布武帝を超えんとするも、かえって失政が目立つようになる。
それを挽回せんと順門府に目をつけ、大義なき征旅へと赴く。
・
禁軍第四軍の指揮官。旧王族の裔であり、帝とは兄弟同然に育てられた。
剛毅な快男児。
・
直成の軍師。帝の参謀たる朧月秀とは同門の間柄。
粗暴かつ傲慢な彼とは対照的に、控えめで穏健な性格。
〈
・
北方の大国を取り仕切る剛将。
実氏を始めとした革新的な人材登用をもって、難局を乗り越えていく。
・
小姓頭。だがその役職以上の権限を与えられている。
それに奢ることなく文武に精励し、与えられた重責によく応え、煩悶する信守に対しても明るく友として接する。
〈
・
戦乱の世を生き抜いた名君。
朝廷との一戦は不可避と覚悟し、国を護るべく手練手管を尽くす。
・鐘山
宗円が嫡男。
粗暴な振る舞いが目立つが、そこに器量を見出す者も多い。
朝廷の打倒を主張する家中の過激派筆頭。
・鐘山
宗円が次子。朝廷女官の子。
質実剛健な性格だが、その出自から今回の挙兵には懐疑的。父や兄との確執を強めていく。
〈
・
皇族に血統を連ねる者にして、北東の雄風祭家の公弟。
若くして外交謀略に長けた名将。実力実績ともに病弱な兄よりゆうに勝り、府内の実権を掌握している。
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