第11話 鍼と指圧のおはなし
※この話はフィクションです。作中に登場する行為を行っても何の症状も改善しません。
(ふー、いつもは指圧ばかりだからたまには鍼をしてもらおうかと頼んだはいいが、鍼は初めてだからな。少し怖いもんだな)
「〇番でお待ちのお客様ー、お待たせいたしました。施術室へどうぞ」
(う、ついにきたか…)
「おまたせいたしました。本日は鍼ですね」
「はい、おねがいします…」
「あー、もしかして鍼は初めてですか?」
「、そうなんです」
「大丈夫です、注射よりも針は細いですし、さしかたにもコツがあるので」
「そうですか、おねがいします」
「お任せください。まずは触診からやりますね」
そういうと肩、背中、腰と軽くもんでいった。
「うーん、腰のあたりがちょっとひどいね。最近おなかの具合が悪かったりしませんか」
「そうなんですよ。なんだか腰がしびれる感じがして。おまけに胃もたれがひどくて。そのせいか便秘ぎみで」
「わかりました。今日は腰をメインにやりますね。鍼の後は胃腸のための指圧もしますね」
トンッ、トットットッッ
トンッ、トットットッッ
トンッ、トットットッッ
「針は撃ち終りましたので電気を流していきます」
「え、もううったんですか。全然そんな感じはしませんでした」
「言ったでしょう。コツがあると。うまい人はみんなこれくらいできますよ」
「電気を流します」
ピリピリ…ピリピリ…
「どうせすかー。痛かったり熱かったりしませんか?」
「いえ…、あー、ちょうどいいです。これは、想像より、気持ちいいです」
「それはよかった。しばらくそのままでお待ちください」
「はい、わかりました」
はー、適度な刺激と温かさで気持ちいいな。これは、瞼がだんだんおも、く、な
「…し、もしもし、お客様、起きてください」
「うーん。はい?あれ、もしかして寝てました?」
「はい、ぐっすりおやすみでしたよ」
「あーはずかしい姿を」
「いえいえ、寝てしまう方もけっこういらっしゃいますよ」
「では鍼をとって、胃腸のための指圧をします」
ギューッ、グイッグイッグイッグイッ!
ギューッ、グイッグイッグイッグイッ!」
「あー!胃腸がじかにもまれてるみたいだ」
「きくでしょう。でもこれ全然力入れてないんですよ。ツボをちゃんと刺激してやれば十分効果はあります」
「そうなんですね。あーなんだかおなかが減ってきました」
「はは、食欲も出てきたようなので今日はこれくらいにしときますね」
「また調子が悪くなったらきてください。今日はありがとうございました」
「ありがとうございました」
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