正真正銘の悪徳令嬢ものであり、新鮮な出会いの作品
- ★★★ Excellent!!!
ツイッターの読書企画で悪徳令嬢ものを除外対象にする私ですが、読者を飽きさせない展開の変化もあり、面白いと思いました。
巷ではやっている所謂ざまぁ系は、迫害された主人公が復讐をするという明確な目的があるから流行っています。
面白い作品の条件として”明確な目的”がある事です。悪徳令嬢ものも滅びゆく人生を買えるため奮闘する”目的”が大抵あります。
ライセットも典型的な物語方針に加え、ハーブの魅力を布教するという斬新な目標があります。
もし、ライセットの目的がただ目標も無く漫然とスローライフならここまで面白くなかったはずです。
悪徳令嬢もの出世作ハメふらが人気な理由は、ライセットと同じく前向きに人生を歩んでいるからです。
良い王道をしっかり踏みつつ、読者を驚かせるような変化球を投げる事が上手だと思います。
前に企画で募集され、除外した悪徳令嬢ものは下手な変化球を投げてました。
悪徳令嬢にも拘らず根は優しいという矛盾した設定です。しかし、ライセットは正真正銘の性悪でした。
前世も女性らしい不快感が少ない1人称視点の語りは女性主人公の強みです。ラノベ、アニメを嗜む設定ながらもある程度、弁えていました。
この要素は立派な長所だと思います。もし、異世界転生物愛好家が見れば驚きます。
同じ制作側の感想としては、武術大会の試合する描写はさぞ苦労した事を察しました。
選ぶ語彙、読者にどう試合風景を描写するか、問題が山積みの中、制作したと思います。
私の作品も恋愛小説を一応謳っていますが似たような展開を制作しました。
あちらの場合、大会でなく、銃刀法違反、殺人未遂が適応される犯罪です。
武術大会の場面を読んだ時は約1年前の制作を思い出し、少し懐かしさを感じました。
長くなりましたが、悪徳令嬢ものはライセットだけ読めば十分だと思います。
飽きさせない展開もあり、前向きな目標を掲げ生きている主人公の姿を見られる事だけで作品として上出来です。