待ち合わせ
タキトゥス
不気味な男
私は一人の男と待ち合わせをした。私と彼は知り合いでもなんでもなかった。赤い唇、瞬きをしない瞳、青い生気を失った顔。これがその男の特徴。家に届いた王様からの一通の手紙。王様と私とこの男は待ち合わせをするつもりであった。つもりと言うのは王様は来なかった。
男は何も話すことは無かった。私から君は誰なのか、どこからやって来たのかと聞いても口を開くことはなかった。男は帽子を被りコートを着ていて、いかにも礼儀正しいように見えたが、話さないとなると対応のしようがない。
仕方なくタバコを蒸そうとすると彼の身体は靄がかかり森に佇む屋敷の景色が映し出された。化け物というべきか、それとも幽霊というべきか分からないが私はその男を怪しく思い近くにあった大きな丸い石を投げつけて立ち去ってしまった。
10年も前の事なので彼が生きているのか、死んでいるのか。それともこれが現実だったのかは王様にしか分からない。
待ち合わせ タキトゥス @pokcyhome128
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