終わった恋 (短文詩作)
春嵐
終わった恋
ひとめぼれではないけど、近い状態だったのかもしれない。四人だけの、ただその場に居合わせただけの居酒屋。なんとなくの自己紹介で、なんとなく挙げた好きな趣味。絶対に同年代には分からない、遥か昔のジャズ。それを言った瞬間、彼女が立ち上がって。自分とは対角の奥の席で、まったくといっていいほど目立たなかったのに。彼女から、視界に入ってきて。そこから、はじまった。
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