ダイソン DC22のリモコン部の修理

 私の家にあるダイソンの掃除機、DC22は壊れている。といっても、掃除機としての機能には何も異常はない。壊れているのは持ち手にあるスイッチ。


 DC22の持ち手部分のスイッチは、物理的には本体と繋がっておらず、リモコンになっている。

 なぜこんな仕組みになっているかは謎。この部分を取り外して使うことはないし、取り外して使える設計にもなっていない。単4電池2本を交換する手間がかかるだけである。


 もしかすると、持ち手部分にスイッチを設けること自体が、当時は画期的だったのかもしれない。思い返すと、昔の掃除機は持ち手部分にスイッチはなかった。いちいち本体にある電源ボタンを押す必要があった。

 今でこそ当然のように存在する持ち手のスイッチだが、DC22発売当時は、あの部分にスイッチを設けて、かつ、それを本体の電気回路を直結する技術がなくて、やむを得ずリモコン式にした可能性はある。



 で、このリモコン部が壊れているわけだが、これにはいろいろ年季が入っている。

 まず、だいぶ前に乾電池が液漏れした。おかげで金属ボックスの金具が腐食し、緑っぽい粉が付着したが、特に問題なく使えた。


 次に、このリモコン部のケースが割れた。しかも、割れた位置が最悪で、電池ボックスのところ。

 知っての通り、電池ボックスのマイナス部分にはバネが仕込まれているわけだが、あれのおかげで電池ボックスには常に張力がかかることになる。そのボックスが真っ二つに割れてしまうと、その補修は困難になる。テープを巻いても伸びてしまうし、接着剤で一時的にくっついても、また剥がれてしまう。乾電池が常に割れた部分に力をかけるからである。これはダクトテープを巻いて、なんとか凌いでいたが、しばしば電池の接触不良の原因になっていた。


 そして今回。原因は不明だが、スイッチを押しても作動しなくなった。経歴からして電池ボックス周りの問題なのは明らか。接触不良か、金具が腐食して通電性が落ちたか。


 とはいえ、本当に電池ボックス周りが原因かは確かめる必要がある。そこで、ホームセンターに行って電池ボックスとリード線を買ってきて、絶縁テープで回路に仮留めし、それで作動するようになるか確かめた。すると、ちゃんと動いた。やはり問題は電池ボックスにあるらしい。


 テスターで確認すると、腐食した金具の通電性が悪くなっているようで、3V必要なところで0.25Vしか電圧がなかった。

 また、ケースの割れも深刻化しており、接触不良の頻度が上がっていた。



 電池ボックスの回路は単純なので、自作することや修理することは容易い。金具の腐食が原因なら、アルミホイルを切り貼りするだけでも処置可能だし、電池ボックスはホームセンターで安く売っているし、自作も簡単。

 だが、今回のケースは厄介である。回路を補修してもケースが割れていて接触不良を起こすし、スペースが狭くて新しい電池ボックスを組み込むのは難しい。また、掃除機という機器の都合上、多少乱暴に扱っても壊れない強度がなければならない。ちょっと落としただけで接触不良が再発するようなヤワな修理ではダメである。

 いろいろ可能性を模索したが、少なくとも、私の技術と手持ちの工具では、まともな修理は無理と判断した。



 仕方ないので、一番手っ取り早い方法を採ることにした。電池ボックスの外付けである。

 電池ボックスと回路を、買ってきたリード線で長めに繋ぎ(はんだとはんだごては持っていた。小学生の時に買った旧式のはんだごてなので使い勝手が悪いが。今からはんだごてを買う人は、多少高くても温度調整ができて先が付け替え可能なやつを買おう。安物のはんだごてははんだが付きにくくてイライラするし、熱しすぎて電子部品を壊しかねない)、割れたプラスチックの隙間から線を外に出す。そして、取っ手に電池ボックスを絶縁テープで留めて固定。びらびらと邪魔になるリード線は絶縁テープで保護と固定。

 あとは電池が脱落しないように、マジックテープのバンドで巻けば完成。



 こうしてDC22は蘇った。いかがわしい見た目になったが。

 掃除機に電池ボックスがむき出しでくっついているのはかなり変だし、時限爆弾でも仕込まれていそうだが、使用には支障ない。

 ただ、この修理には利点もあった。電池交換が楽になったことである。


 カクヨムの投稿作品には画像が添付できないが、近況ノートには可能になったので、2021年11月27日の近況ノートに、変わり果てた姿のDC22の無残な姿を掲載しておく。

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