城下町の少年と少女

さくら ゆい

第1話 プロローグ

俺は担当するクラスの窓から夏の空を眺めていた。


その空は清々しい青色をしていた。


教室の中は静かで、心地よかった。


1人で窓から景色を眺めていると、声がする。


この声は同じ教師の桜田藍音さくらだあいねだ。


「和樹、何しているの?」


「俺は別に空を眺めていただけだよ」


俺はそう返す。


「そういえばあの時もこんな空だったね」


「そうだな…」


そう藍音に言われて思い出す。


あの頃の事を…。

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