第176話 魔法実験とスキルの検証
『……できた……。成功した……! 俺はやり遂げたんだッ……!』
豚王を倒してから一週間ちょっと経ったある日の午後。
俺は一週間以上かけて研究していた魔法をついに成功させることができたッ……!
子ぎつねが【人化の術】を手に入れた時、俺は人間に戻る気はないが腕だけは返してほしいと思った。
そして、「魔法で人の腕を再現すればいいのではないか?」という結論に至った。
【操炎術】。
炎を自由自在に操るこのスキルであれば、物理干渉を可能にできるのではないか?
この考えに至って試行錯誤した結果、圧縮した炎の塊でおぼつかないながらも物理干渉することができるようになったのだ。
とはいえ、俺の魔法制御能力をもってしても炎の塊を人の腕の形にするのはまだ無理だが。
これだけだと、「炎の塊で触れたら燃えるだろ。常識的に考えて」とかいうツッコミが飛んできそうだが、そこもうまく対応した。
【再生ノ蒼キ炎】。
このスキルで生み出した炎は、熱を持たない(正確には人肌より少し高いくらい)うえに燃えることはないという性質がある。
【再生ノ蒼キ炎】で作り出した炎を【操炎術】で操ることで、俺は「熱くない・燃えない・物理干渉可能」とかいうご都合主義の塊みたいな炎を生み出すことができるようになったのだッ!
まさか、鳳凰の目玉スキルがこんな形でも活躍するなんて。
つくづく鳳凰に進化してよかったぜ。
あとは魔法制御能力を鍛えて、この炎の塊を自由に操作できるように昇華するだけだ。
少なくとも、日常で活用できるくらいには。
これができるようになれば、できることの幅が一気に広がる。
最優先で鍛えていくべきだ。
『とりあえず研究は一段落したから、次はスキルの検証だな』
というわけで、俺は海上……それも陸地からかなり離れたところまでやってきた。
体をなでる風の冷たさが心地いい。
検証するスキルは【エクスプロージョン】。
規模が分からないがために、これまで使うことができなかった魔法だ。
炎の上級魔法であるこの魔法が弱いわけがない。
今後、このスキルを使わざるを得ない時が来るだろう。
だから、使用感や規模、消費魔力等を調べておきたい。
『さっそく使うか。と、その前に俺のステータスを見とかないとな。魔力の数値を覚えておかないと』
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種族:鳳凰 Lv38
名前:ノア
状態異常:なし
体力 :1000/1000
魔力 :1020/1097
攻撃力:728
防御力:590
魔法力:777
素早さ:681
ランク:A
固有スキル
【飛翔LvMax】【鑑定】【言語翻訳】【獲得経験値倍化】【方向把握】【高速思考】【超帯電】【念話】【操炎術Lv7】
スキル
【体力自動回復Lv7】【魔力自動回復Lv6】【クチバシ攻撃LvMax】【電撃クチバシLv8】【爪撃LvMax】【爪炎撃LvMax】【爪雷撃Lv9】【フレアタックルLvMax】【ファイアーブレスLv8】【雷属性魔法Lv7】【放電Lv9】【フェザーアローLv5】【フェザーボムLv5】【熱風Lv7】【ホーリーフレアLv4】【ハイヒールLv7】【エリアハイヒールLv4】【ホーリーLv3】【再生ノ蒼キ炎Lv5】【魔力譲渡】【ダメージカット(魔法)】【ダメージアップ(魔法)】【気配察知Lv5】【魔力制御LvMax】【次元収納Lv7】
耐性スキル
【炎属性無効】【毒耐性Lv7】【物理耐性Lv3】【魔法耐性Lv4】【雷属性耐性LvMax】【麻痺耐性Lv9】【呪い耐性Lv6】
称号
【突然変異】【転生者】【焼き鳥】【炎の貴公子】【釣り名鳥】【解放者】【輪廻を司る者】【雷鳥】【獄炎鳥】【聖炎鳥】
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今の魔力量は1020。覚えたぜ。
『では、【エクスプロージョン】!』
魔法名を唱えたとたん、かつてないくらいに俺の魔力が暴れ狂いだした。
さすがは上級魔法。制御するだけでも一苦労だ。
だが、俺の魔法制御力であれば問題ねぇ!
俺の目の前に、バランスボールほどの大きさの火球が出来上がった。
相変わらず魔力が暴れ狂っているが、それを制御して安定させる。
目の前の火球が、紅蓮の色に燃え盛った。
『ふぅ。制御するだけでも一苦労か』
制御するのにかかった時間は三十秒弱。
一対一の実戦だと、考えなしに撃つことはできないな。
『それじゃあ、発射!』
完成した火球を海に落とす。
刹那、耳をつんざくような爆発音が辺りに響いた。
直径十メートルほどの球状の爆発が起こり、それに呑まれた海水は一瞬で蒸発する。
それだけにとどまらず、生じた爆風によって海がうねり、巨大な波がたくさん出来上がった。
俺も爆風を受けて吹き飛ばされてしまったが、爆心地から距離があったためそこまでダメージは受けていない。
発生した波は陸のほうにも押し寄せていってはいるが、陸地まで距離があるため津波のような被害は出ないだろう。
海上で使って本当によかった。
『うわっ! 消費魔力500とか多すぎだろ。次からはもう少し威力を落として使うか』
爆発範囲こそ狭いものの、その威力はすさまじい。
加えて、爆風で敵を吹き飛ばすこともできる。
【エクスプロージョン】は、上級魔法の名に恥じない性能だった。
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