【商業化!】不知火の炎鳥転生~転生したら産まれたての魔物でした。炎の魔法を駆使して魔物を倒して勝ち上がり、進化を重ねて最強に。最弱のひな鳥から始まる成り上がり冒険譚~
狐火いりす@『不知火の炎鳥転生』商業化!
第1話 目が覚めたらひな鳥だった
いきなりだが、皆は朝起きたら鳥になってたことってあるか?
自分でもおかしなことを言ってる自覚はある。
だったらなぜ聞くのかと思うだろう?
理由は簡単、今の俺は『朝起きたら鳥になってた』状況だからだ。
ホントにどういう状況なんですかね?
-----数十分前-----
朝起きたらなぜか視界が暗い。
何も見えないくらい真っ暗だ。
完全に目が覚めているのに何も見えないので、驚いて手を動かそうとするがうまく動かせない。
数分ほど試行錯誤してやっと動かせたが、なにか違和感を感じる。
だが、その違和感の原因が何なのかわからない。
それよりも今は視界が暗い原因を調べることが先だ。
暗いままじゃ違和感の原因を調べようにも調べられないしな。
十分ほど手探りで調べてわかったことは、自分がドーム状の何かに閉じ込められているということだけだ。
ドーム状の何かも窮屈に感じるくらいだから大して大きくないだろう。
俺の体がすっぽりと入るくらいか。
今はここから脱出するのが最優先だ。
とにかく手足を動かしたり体をじたばたさせたりしても、このドーム状のなにかの中から出ることはできなかった。
よほど頑丈なものでできてるのだろうか?
このよくわからん空間から脱出するために数分程暴れ続けていると、パキパキと謎の音がしだした。
なぜこんな変な音がするのかはよくわからないが、このまま続けていれば出られると本能で理解できた。
なぜそんなことが理解できたかは不思議だが、今はこの空間から脱出するのが先だ。
しばらく続けていると、バリッとひときわ大きな音がし光が差し込んできた。
その光が思ったよりも眩しかったので、驚いて声を出してしまった。
「ピィ、ピイィ」
ずっと暗い空間に閉じ込められてたから、急に差し込んできた光をすごく眩しく感じてしまったのだろう。
と考えたところで、俺は一つのことに気づいてしまった。
さっき俺は、思わず「うわ、眩し」と言ったはずだ。
しかし、「ピイィ」という鳥のさえずりみたいな声しか聞こえなかった。
原因を考えると、俺はふたつの可能性に思い至った。
ひとつは、なぜか喋ることができない状態になっているということ。
もう一つは――。
とにもかくにも、現在の俺の状況を知るためにもう一度声を出す。
「ピューイィィ」
……恐る恐る自分の手を見てみる。そこには淡い朱色をした翼があった。
「ピュピュイィィィィィィィィィィ! (俺鳥になってんじゃねぇかぁぁぁぁぁぁぁ!)」
そう、俺は鳥になっていたのだ。
さすがにこれは夢だよな?
夢であってくれ!
最後の望みをかけて翼で自分の顔を叩いてみる。
……だが現実は非情だった。痛みを感じる、つまり夢ではなかったのだ。
落ち着け、俺!
こんなときこそ深呼吸、深呼吸して落ち着くんだ!
スゥーハァー、スーハ―。
良し。
いや、全然良くないけどだいぶ落ち着いた。
とりあえず、まずは現状確認からしていかないとな。
そうしないとこのあとどうするのか決めることができない。
えっと、朝起きたら俺は鳥になってた。
今いるのは多分森か?
目に見える範囲には草木が生えてるから森なんだろう。
で、今居るのは木の上にある鳥の巣みたいなもの……いや、
巣の中には俺が破った卵の殻がひとつあるだけ。
周りを見るが親鳥らしい鳥も見当たらない。
というか他の生物自体見当たらない。
なぜ鳥になってしまったのか探るために、昨日のことを思い出してみる。
もしかしたら何か手がかりがつかめるかもしれない。
昨日は確か、学校終わりにバイトに行ったな。
で、バイトが終わったあと、特に事故にあったりもせず無事家に帰った。
で、飯食って風呂入ったあとに漫画を読んだはず。
そして寝たと。
寝つけるまでにいつもより少し時間がかかって、「今日はなかなか寝れないな」なんてことを考えたのをはっきりと覚えているので、ここまでの記憶は正しいのだろう。
昨日の晩飯のハンバーグ美味かったな……じゃなくて、何で鳥になったのかということについての手がかりも特に思いつかないんだよな。
昨日までのことを振り返ったが鳥になった原因はわからないし、何か違和感を感じるのにその正体がわからない。
あ、そういえば昨日手羽先食いたいって思ったけど、さすがにそれは関係ないはずだ。ないよな?
そのあともしばらく考え続けてると、さっきまで感じていた違和感の正体に気づいた。
自分と家族の名前だけが思い出せない……。
自分がなにをしていたとか、通ってた大学とか、友達の名前なんかははっきりと覚えているのに、自分と家族の名前だけなぜか思い出せない。
なぜ自分と家族のだけ名前を思い出すことができないのかしばらく考え続けたが、時間がたってもまったく思い出すことはできなかった。
わからないことを延々と考え続けても仕方がないから今後のこと考えようと思ったとき――
「ビギャァァァァーーーーーー!」
上空で甲高い悲鳴が響き渡った。
なんだ? と思って上を見上げると、黄色い毛で覆われている鳥を咥えた巨大な怪鳥が目に入った。
「ビギャァ……」
怪鳥に咥えられた鳥が弱弱しい声をあげたと思ったら、首ががくりとなってこと切れた。
怪鳥は鷲のような猛禽類に似た体つきをしており、首から上が白い体毛に覆われている。
首から下は黒い体毛に覆われて四本の手足が生えており、背中には大きな翼が生えている。
だが、一番おかしいのはその大きさだ。
結構距離があるのに物凄くでかいのだ。
なんだ……あの怪鳥……。
俺が心の中で思ったとき、
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種族:オリジン・グリフォン Lv89
名前:なし
状態異常:なし
体力 :2536/2627
魔力 :957/1643
攻撃力:1572
防御力:1231
魔法力:1118
素早さ:1696
ランク:A
固有スキル
【飛翔LvMax】【方向把握】【覇者の風格】
スキル
【体力自動回復Lv6】【魔力自動回復Lv4】【咆哮Lv9】【爪撃LvMax】【爪炎撃LvMax】【クチバシ攻撃LvMax】【毒爪Lv6】【麻痺爪Lv6】【ファイアーボールLvMax】【フレアLv5】【ファイアーブレスLv6】【気配察知Lv7】【再生Lv4】
耐性スキル
【炎耐性Lv6】【状態異常耐性Lv6】【物理耐性Lv3】【魔法耐性Lv3】
称号
【天空の王者】【突然変異】【殺戮者】【大食い】【執念】【最終進化者】
------------------------
……自然と頭の中にこれらの文字が浮かび上がってきた。
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