第53話
「たしろん……なんでその女と一緒にいるの?」
じと〜とした視線を向けてくるのはもちろん本田さんだった。
「いやその……あははは」
笑って誤魔化そうかとも思ったが、そう上手くはいかない。
花火大会の会場へ来て早々、危惧していた事態がいきなり訪れてくるとは思ってもいなかった。
本田さんは今、一人でいるのか手には焼きイカが三本握られている。わたあめを模したような独特な浴衣を着用しているものの、相変わらずの可愛さはご健在。口元には焼きイカのタレがびっしりと付いていた。ちなみにお胸はぺったんこである。
「その女とは私のことですか!?」
「はい、そうですよ? ぱいぱいでか美さん以外いないと思いますけど?」
そう言えば、そんな名前の歌手さんがいたような……?
ともかくとして、このままいがみ合いをされてしまえば、周りに迷惑をかけかねない。
「ふ、二人とも一旦落ち着こ。な?」
「「誰のせいでこうなっていると思っているの(ですか)!」」
「え、あ……はい。ごめんなさい」
なんで俺が謝らなくちゃいけないんだよ!
たしかにことの発端は俺にあるかもしれない。
けど、おかしくない? なんなら、俺は巻き込まれた被害者みたいなものだよ?
「だいたいその不自然な大きさのおっぱいはなんですか? パッドですか?」
「ぱ、ぱぱぱぱぱぱぱパッドなんて入れてるわけないでしょ!? 本田さんじゃあるまいし」
やっぱりパッドだったんですね……。
本田さんに痛いところを突かれて、大きく動揺する綾小路。てか、本田さんに至ってはどう見てもパッドなんて入ってないだろ……。ちっぱい、下から見るか? 横から見るか? どっから見てもまな板であることには変わりはない。
この収拾どうつければ平和的に済むだろうか?
いや、最近の綾小路と本田さんはどこか犬猿の仲みたいなところがある。なぜかはわからないが、いつの間にか仲が悪くなっていた。調理実習の時は興味すら示してもいなかった二人だというのに。俺の知らないところで何かしらの共通な接点でもあったんだろうか? そう考えるのが普通ではある。
仲直りをさせるのであれば、その“共通な接点”をどうにかしなければならないが……それを知る手段は俺には持ち合わせていない。心の中を覗き込めるような能力があればいいのだが、現実ではそう言った超能力は存在しえない。リアルは都合のいい世界と言えるが、不都合な世界とも言える。
なんとも生きづらい世の中……。
この世もアニメや漫画みたいにご都合主義な〜があればいいのになとふと思ってしまった瞬間だった。
【あとがき】
switchのポケモン久しぶりにやろうとしたら、データが消えていて大草原超えてもはや宇宙。ポケモンのデータってサーバーには保存されないんですね。一度、メンテナンスモードでセーブデータを残して初期化を行ったことがあったんですけど……ポケモンのセーブデータ消えてるじゃねええええええええかあああああああああああ!!!
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