夢の異世界!!!!なのになんだここは!俺の夢をぶち壊したやつに復讐してやる!

月影

第1話 夢の異世界

俺の夢は異世界に行くこと。そう、異世界!誰もが行ってはならぬ異世界!こんな夢を持つ人なんかそうそういないだろう!

……いや、無理だが。そうだ、無理だ。大体、漫画とか小説なんぞは異世界なんか作者に頼めばさっさと行けるが!いやよく考えろ俺!それも無理!作者なんかに頼めるわけねぇだろうがぼけ!……だれだ、話変えやがったのは!お前だぼけ!

話を戻そう。大体、漫画とか小説なんぞは異世界なんか神様に頼めば行けるだろ!だが、んなもん信じるか!大体、神なんぞいないんじゃねぇのか!?学校一天才お兄ちゃまなんか、そんな事は馬鹿にするほど神なんぞいないんじゃねぇのか!?……という事で、俺の将来の夢はまだない。全然ない。ちっともすっともない!

--今日は、家族みんなでキャンプに出かけた。……あ?何故かって?????言いたくねぇよ言うよ。今日は流れ星が大量に見えるからなのだ!そう!俺は願う事なんかないっ!夢がないからないっっ!神なんかいないっ!神様なんかいねぇから!俺は!願えないッッッ!

「ねぇ、準備まだなの?」

母の声が聞こえる。

「はいっ!行きます!ただ今!行きます!」

「どうしたの?すごい興奮してるわよ?そんなに楽しみなの?」

「いや!そういうわけじゃない!」

逆に、楽しみなんかねぇよ。もういい。将来の夢は車の中で考えてやる。無理だったら、なんちゃらかんちゃら言ってごまかしてやる!

--ああ!?もう着いた!?はっ!みんな荷物を出している!!おい、待て!俺はまだ将来の夢は考えていない!てか、思ったんだが、着くの早くね!?プロのマラソン選手なんかが80キロメートルをバビュン!って全力で走った時間ぐらいじゃないのか!?やばい、もう適当に言うか?騙すか?無になるか?ええい、もういい!さっさと夜になれ!その時考えてやる!


そして、姉と材料集めをさせられ、バーベキューを楽しみ、寒さに耐えまくりながら、そして夜!待ちに待った夜ううう!

いや、すげぇよ星空。ビュンビュンと流れ星が流れている!大量に!!

これはすごい夜だ。プラネタリウム以上にすごい迫力!

うぼあああ!?みんな願い事を唱えてるううぅ!!

よ、よし、俺も唱えてるフリを………ああ!?終わり!?

「みんな、なに願ったの?」

うわああああああ!?姉ちゃん悪い質問来たあああ!

「お、俺はなあああ…!」

うおおい!もう適当でっ!

「大工になれますようにって!」

「えー?何?異世界に行くんじゃなかったのー?」

「い、異世界なんて行ける訳ないじゃないか!大体な、異世界なんてのは夢のまた夢だ!」

「知ってるよ、そんなこと。最初から気付いてればいい話だよ」

「う、うるせえな!ちっちゃい頃ぐらい異世界とか夢見ていいだろ!」

「はいはい、めんどくさいなあ」

なんでだよ!今俺は興奮してんだよ!喧嘩みたいな事言うなよ!!


そしてみんなテントで寝…てはいない。寒さに耐えられなくて車の中だ。車の椅子は横に倒せるからな。ああ、寝むい、寝むい。頭を働かせすぎたか?いや、ちょっ、なんか…おかしいぞ?人生でこんな…眠くなったことってあったっけ?




--うわっ、あっつ!太陽の光であっつ!それと眩しい!もう朝か?体をよじらせると、痛っ!!なんだ、石?なんでだ?俺はテントの中にいたはず…。

まあいい。朝早く起きるのは辛いが、どうも変だから起きるか。よっこらせ。

目を開け、体を起き上がった俺は、目を見開いた。


俺は…別世界にいた。

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