魔女と世界の隠し事

虎渓理紗

Ep.1 創世の魔女

 この世界は魔女によって創られた。

 創世の魔女――、アイリア・ペチェッティ=セシル・フィルールは、この世界の安寧を祈り、この地に豊かな緑とたくさんの人間と、そして優れた魔法を授けた。

 アイリアは、子を創り彼らに自分の魔法を授けた。子は大人になり、また、子に自分の魔法を授ける。それを何百年も繰り返し、この世界は優れた魔法を後世に伝えていった。

 しかし、それはその魔法を奪おうと考えた人間によって断たれる。

 人間は妬んだ。

 魔女の子どもにしか受け継がれない魔法の力。

 それを使って、魔女の子どもたちは権力と富を得る。それは当たり前だった。人間が何時間もかけることに、魔女の子どもたちは魔法で一瞬でこなす。人間に出来ないことは魔女の子どもたちの仕事。魔女の子どもたちにしか出来ない仕事はたくさんある。そこに皆、お金を与える。

 魔女の子どもたちは、皆、豊かな貴族となった。

 それを妬まない者はいない。

 不平等だ、不公平だとなじり、人間達は魔女の子どもを捕まえた。魔女の子どもたちに命令をして、魔法を使わせるようにした。

 あぁ、それは悪いことだろうか?

 アイリアが自分の子どもにだけ、力を授けたが為に!

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