高貴な凜として閨の技術を物にした女を献上すべき!


「アスキアお姉様によれば、ネットワークに加盟するのは難しいことではないが、その発言力となるとまず無いに等しい……」


「発言力、つまりネットワーク内部の地位向上は、献上品と呼ばれる美女を出し、その中からヴィーナス様とおっしゃるネットワーク最高指導者のご寵愛を得ることが絶対条件らしいのよ」


「このご寵愛を頂けた女は寵妃と呼ばれ、ネットワークの幹部として扱われるらしいの、そしてネットワーク内で絶大な影響力を持つ、『百合の会議』のメンバーになれる」


「そうして寵妃の数が増え、ハレムという物を成立させることが出来れば、ネットワーク内の地位は揺るぎない物となる……つまり寵妃の数がネットワーク内の力となるそうなのよ」

 

「アスキアお姉様もかなりご苦労されたそうなのよ、反乱した惑星群とも和睦をむすび、トライアングル・ホームという、ハレムの上部組織設立までこぎ着けたそうなの」


「恥ずかしいとかいって、閨に消極的な女たちしか献上出来なかった地域は、百年たってもネットワーク内の三級世界に甘んじているらしいのよ」


「アスキアお姉様、傾国の美女なのよ、それでも娼婦のように閨の技術を学んだとおっしゃっておられたのよ」

「このあたりの司令官であられるグレモリイさんを知っているでしょう?」

「もの凄い美女でしょう?でもお手つきはまだなのよ♪」


「アスキアお姉様がおっしゃるには、ヴィーナス様の寵妃の方々でも、幹部クラスの『愛人、麗人、佳人』という三つのクラスの方々の美貌を目の当たりにすると、悲しくなるそうなの……」


「幸いなことに帝国の女たちは、ネットワークの感覚では『巨乳』らしくて、いささか有利に見えたわ」

「帝国の為には、とにかく美しい女を集めそしてなんとしても閨の技術を物にして、ヴィーナス様を骨抜きにできるような人材を献上するしかない」


「さらには聡明でなくてはならないそうなのよ、お色気だけではヴィーナス様は見向きもされない」

「私が思うに、アスキアお姉様を見ていると、さらには高貴な凜とした雰囲気の女がよさそうなのよ」


「なぜですの?」

「寵妃になり、位階をさらにすすめば、管理官とか執政官となり、一つの惑星世界を預かったりすることになり、賢くなければ上には行かせてもらえない」


「高貴な出の女に、女奴隷になり淫らな事を強要する以上、皇帝の娘であるこの私が率先して、操を差し出さなくては示しがつかないと思うのよ」


「アンメイ様……」


「今回のことで、当主が処刑され廃絶した家門がかなり出ています」


「その中にはシュヴァーベン公爵家やバーデン辺境伯家も含めてですが、その家の女性たちは、ここに逃げてきた貴女たちを除いては、全員奴隷として帝国政府のものになっています」 


「お父様は、この方々からそれなりの方々を選んで、ネットワークへ献上する手はずを整えておられます」

「その中には、私、エデン銀河帝国第二皇女アンメイも含まれます」

「お姉様はすでに人の妻ですからね」


 そんな話しの真っ最中に、リリスさんがやって来たのです。


「アンメイ皇女、エデン銀河帝国の女を献上しようとしているとか、お聞きしましたが……」

「はい、帝国がネットワーク加盟の引き出物として、選りすぐりの女をネットワークに献上する手はずです!」


「そのね……軍が手を離すまで、待ってもらえないかしら……」

「何故です?献上品はヴィーナス様への忠誠の証とお聞きしております、事実、このアンメイも献上品の一人、ネットワークへのエデン銀河帝国の忠誠の証として女奴隷になる所存です」


 リリスさん、いささか押され気味、旗色が初っぱなから悪そうですよ。


「軍としてはですね、このままではこの宇宙の管理責任は軍にあり、献上品の話しが出れば、事務処理をしなくてはならなくなります」


「しかし軍としては、このような事は得意ではなくて、出来れば事務関係の部署に、この宇宙の管理責任を移譲してからにしていただきたいのです」


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