エデン銀河帝国
アヒノアム・ステーションの間近にある銀河は渦巻銀河、M33トライアル銀河よりも少し小さい直径五万二千光年、ヘルメスジュニアの探知範囲は一万五千光年、二十五等分して探査すれば重複しますので十分と判断できます。
「実施担当者は五名、範囲を指定して一気にやれば五回で完了します!」
そこで、先遣部隊を五つ作り、まずはマッピングすることにしました。
今回は急ぐので、『公爵夫人の宝冠』号のミニ・インフェニティ・カーゴがシェルターステーションを量産しました。
『ニュウ・ナアマ』号と同じで八隻で構成されています。
八隻の内訳は、マイクロ・インフェニティ・カーゴオプションステーション一隻、小型建造ドッグオプションステーション一隻、広域探知オプションステーション一隻、搭載できる最強兵器のマグネター砲搭載ステーション五隻。
基本は正四角錐、五つの頂点にマグネター砲搭載ステーションをおき、中央にマイクロ・インフェニティ・カーゴオプションステーション、上部と下部に直結して小型建造ドッグオプションステーションと広域探知オプションステーションがつながっています。
外部回廊八本、内部回廊五本。
『ガエネロンの宝冠』号、『リリスの宝冠』号、『アルダトの宝冠』号、『イドルの宝冠』号、『キスキルの宝冠』号の五隻。
この五隻で『仮称アヒノアム銀河』をマッピングしたわけです。
しかも電波などや通信も探知、すると『仮称アヒノアム銀河』の五分の四を占める、統一政体が成立しているのが判明したのです。
「どういうことだ!古代のエラム語ではないか!しかもセマンゲロフ教?創造主がセマンゲロフ神?」
「グレモリイ司令官、この政権の通信によると、どうも権力争いで反乱が起こっているようです」
「よくある話しだな、たしかユニバースがトライアングル銀河を探査したときも似たような事になっていたが……あの時はテラの隣の銀河、いざというときは壊滅させよと、イシス様がおっしゃっていたとか……」
「今回は三軍統合司令部はなにも云わないでしょう、なんせネットワークにとっては僻地の僻地、面倒なら引き上げよとなるはずです」
「イシス様やミコ様を怒らせない限りですが」
「そうね、惑星リリス近辺にはこの政権の範囲ではないのね……」
「あのあたりに防衛戦力を配置し様子見ね♪」
「そうですね、十分でしょう、この後は隣の銀河あたりを探査しましょう」
リリスさんが同意します。
「では私が防衛戦力を増強してきましょう、最前線ですから標準簡易ステーションを設置してきます」
「アルダトさん、お願いする」
急遽、『アルダトの宝冠』号は惑星リリス近くのショートワープポイントにワープ、標準簡易ステーションを設置、防衛戦隊を一個増設、さらに統合ミリタリーヤードを浮かべたのです。
ヨミの小型宇宙船、千鳥型や、その改良新型艦などもかなりの数、配置したようで、それらの為もあるようです。
「ご苦労様、これで『仮称アヒノアム銀河』の探査は終了、近傍の銀河の探索よね、それが終われば、この宇宙の大雑把な探索にかかりましょう」
グレモリイさんとしては、アヒノアム・ステーションの防衛のために、周りの銀河は詳細に調べ、あとはざっと調べればOKと判断しているのです。
もっとも、これは三軍統合司令部の見解でもあるようです。
「そうそう、『仮称アヒノアム銀河』の五分の四を占める統一政体ね、名前が分ったわ、『エデン銀河帝国』、男性体の裏切りの天使、セマンゲロフの見栄のようね」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます