アルダト・リリーの戦闘報告
「アルダト・リリーのボディを持ってきたわ♪有機体アンドロイドよ♪」
「それとこのカプセルも作っていただいたわ♪ここに記憶装置を設置して、ここについているマイクで話せるわ、声はこちらについているスピーカーから出るようよ♪」
「マレーネ様はカプセルについては、『やっつけ仕事で不出来』とおっしゃっていたけどね♪」
「さっそく、話をしてみましょう♪」
嬉しそうなイザナミさん、いそいそとカプセルにアルダト・リリーの記憶装置を設置しています。
「貴女はアスラ女性体の構成員、アルダト・リリーで間違いありませんか?」
すると……
「申し訳ありませんが貴方は誰ですか?」
「私はイザナミ、アルダト・リリーの製造者、貴女の起動パスワードをいえば信じて貰えるかしら?」
「お願いします……」
「起動パスワードは、『あがみはなりなりて、なりあはざるところ、ひとところあり』」
「確認いたしました……イザナミ様……お元気でいらっしゃるようで……」
「アルダト・リリー、我らの主様のお許しにより貴女の有機体の体を用意している、構わないか?」
「イザナミ様のご命令ならば拒否はありません」
「そうか、ありがとう、では始めますよ」
カプセルについていたボタンを押したイザナミさん、すると……
輝き始めたカプセルの中で記憶装置が分解、フォトンの粒子になります。
アルダト・リリーのボディはすぐそばに置かれています。
カプセル自体も崩壊をはじめ、フォトンの渦に、イザナミさんが、
「アルダト・リリーよ、このボディに収まれ、四万年ぶりに私のもとに戻れ!」
エールさんの時のように、アルダト・リリーのフォトンの渦が、ボディに吸い込まれていきます。
「イザナミ様のご尊顔が見える……」
「アルダト……四万年ぶりね……お帰り」
イザナミさん、アルダト・リリーさんを抱きしめて……
「とにかく今は『御使い』どもを叩きのめさなくては!アルダト、復活して悪いけど、リリスや他の眷属はどうなったの?」
アルダト・リリーさんの話によれば、リリスさん一行は突然男性体に襲われたそうです。
テラで仲良く男性体と暮らしていたので、敵対しているとは考えなくて、油断している隙に搭乗艦に大質量物質の直撃を受けて大破。
「艦には戦闘艇二隻と脱出艇が一隻ありましたので、私とイドルが戦闘艇に乗りリリス様を逃したのです」
「キスキル=リラは近接戦闘のアンドロイド、最後まで付き従ってもらい、二人で男性体と戦ったのです」
「イドルの戦闘艇はここから三光年のところで撃破され、私も撃破されました」
「リリスは逃げきれたの?」
「分かりません、ただここからこの銀河の天頂方向へ向かわれたのを確認しております」
「グレモリイさん、悪いけど一個防衛戦隊でイドルの戦闘艇の残骸を回収してくれない……」
「もしかすれば保存用の記憶領域が生きているかもしれませんし……」
アルダト・リリーさんを撃破した男性体は、救援に来るかもしれない女性体の艦艇を撃破するため、ここに浮遊機雷を敷設してリリスさんの脱出艇を追いかけた様です。
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