大規模拡張シェルターステーション 其の一
「ところでグレモリイ、少し休暇を取ったら貴女に仕事があるの、命令ではありませんよ」
イザナミさん、珍しくお願いなんてしています。
「どのような事でしょう?」
「貴女が上手くコンテナを使って戦果を上げたでしょう?それでこのたびコンテナの有用性が認められたよ」
「シェルターステーションを知っているでしょう?これは極めて廉価な極めて小型の宇宙船、マイクロ・インフェニティ・カーゴで何とか量産できる事が判明しています」
「このシェルターステーションと貴女のコンテナ群を使った戦術を使えば、ネットワークの未探査領域宇宙などでの戦闘偵察任務などに活用できるでしょう?」
「こんどね、このシェルターステーションでローカル戦力を構築して、未探査領域宇宙に配属しようと、イシス三軍統合司令官と相談しているの」
「でね、貴女にローカル戦力構築計画の実施担当者になってもらいたいのよ」
イザナミさんに云われた以上、グレモリイに嫌はあり得ません、当然この話を受けました。
『公爵夫人の宝冠』号が戦争の最後の段階で、コンテナ群を直接指揮、戦果を上げたことが高く評価されたのです。
シェルターステーションは直径一キロ、なんとか標準ステーションなどの改造造船ドッグで建造出来る最大の宇宙船。
基本的にはユニバースの宇宙船、貨物鉄道用ですがオプションが色々あります。
全ての宇宙船にある標準の造船ドッグを改造して、このシェルターステーションを建造出来るようにする計画なのです。
一応、直径一キロ、長さ一キロの円筒形の標準簡易ステーションも建造はできます。
しかも、マイクロ・インフェニティ・カーゴは自身を製造することも可能で、このシェルターステーションに自身を組み込む事も出来ると判明したようです。
このため、マイクロ・インフェニティ・カーゴは少しばかり改良され、直径八百メートルとコンパクトになったのです。
さらにいえば造船ドッグを使わずに、宇宙空間で何とかシェルターステーションも建造できるのです、まあかなり時間はかかりますけどね。
これをニライカナイのような星形二重正四面体に結合したのが、大規模拡張結合シェルターステーション……
シェルターステーションが八隻、または中央に追加して九隻結合しています。
そのほか、次のような結合が可能となっています。
五隻または中央に一隻追加して、六隻結合した正六面体の拡張結合シェルターステーション……
四隻または中央に一隻追加して、五隻結合した正四面体の標準結合シェルターステーション……
三隻または中央に一隻追加して、四隻結合したトライアングル結合シェルターステーション……
また回廊を設置しない直列結合も可能です。
シェルターステーション間の連結回廊は小さい物で、直径二十メートルのパイプ状で、大規模拡張結合シェルターステーションなら外部回廊として十二本あります。
シェルターステーションは最大四ケ所の連結回廊が設置できます。
中央に位置するステーションが設置された場合、最大四本の内部回廊が伸びて、外周のステーションの内の四隻と接続するわけです。
単機能のシェルターステーションを色々組み合わせることで、戦闘用に特化した大規模拡張結合シェルターステーションなら、巡洋艦程度の戦闘力も発揮することが可能なのです。
この戦闘用大規模拡張シェルターステーションには、ヘルメスジュニアを搭載した広域探知オプションステーションと、マイクロ・インフェニティ・カーゴオプションステーション、コンテナを建造できる小型建造ドッグオプションステーションは必ず組み込むことになっています。
この小型建造ドッグオプションステーションは最大で長さ五百メートル、幅五百メートルのものなら建造できます。
ユニバースのコンテナは全長三百メートル、幅も三百メートルですからね。
ほかにもヨミの小型汎用戦闘宇宙船千鳥型は全長三百メートル、直径は約七十五メートル、それのロボット搭乗員も量産できるのです。
一応、揚陸型の千鳥二型、乗り込む小型陸戦ロボットも量産OKです。
ミリタリーヤードは建造不可ですが、なんとしてもコンテナ群を指揮出来るミリタリーヤードが必要な軍部としては、長さが半分のミニミリタリーヤードを計画、戦闘指揮コンピューターヤードと陽子崩壊領域設定バリアヤードの二種のヤードを試作してみたのです。
戦闘指揮コンピューターヤードと陽子崩壊領域設定バリアヤードは直結、その前後にコンテナが三隻ずつ、ショートワープポイトンを防衛する従来の防衛戦隊が量産可能となったのです。
この連結ミリタリーヤードは、連結したコンテナごと、簡易ワープも出来るのです、ただ、座標が確定している所へですけど……いざとなったら防衛戦隊はショートワープポイントを利用して、隣の防衛戦隊等に加勢にいけたりするのですね。
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