第449話「明日降りる地下111階層から地下120階層は、出現する魔物のパターンが大きく変わる」

冥界の魔獣兄弟ケルベロス、オルトロス、

火の精霊サラマンダーに擬態したファイアドレイクのフォローもあり……


リオネルは青銅製ゴーレム10体を倒して、仲間用に捕獲。

またアスプ30体を送り、出現した同胞のアスプ10体を『降伏』させ、

これまた仲間にした。


その後も、リオネルは……

ケルベロス、オルトロス、ファイアドレイクと念話で打合せ、

息の合った連携をとりながら戦い続ける。


ファイアドレイクは途中で、フロストドレイクと交代。

鳥の王ジズも参戦を望んだので、1mほどの鳥に擬態させ、

風の魔法を行使させる。


地下101階層から110階層、混沌カオスのフロアでは出現する敵、魔物に対し、それぞれの対応を使い分け、徹底した。


魔獣アスプは同胞を放ってガンガン仲間にし、

青銅製、ミスリル製、銀製、水晶製の各種ゴーレムは倒し、漏れなく捕獲する。


リオネルの軍団は、ますます数が増え、強固となる。


一方、リザードマン、バジリスク、コカトリス、ガーゴイル、ミノタウロス、

狼男ワーウルフ、キマイラ、マンティコアは経験値稼ぎの為、熟練度アップの為、ひたすら、ひたすら倒し続ける。


但し、地下100階層までと違うのは、これまで勢子役をメインにしていた事を改め、

役割を分担し、仲間達も戦いに参加させた事。


そして、威圧、貫通撃、ムービング攻撃魔法、転移魔法、念話等々も駆使。

戦いのいろいろなバリエーションを使った。


リオネルは、仲間づくりに専念する事もあれば、

魔法、剣技、破邪聖煌拳はじゃせいこうけんを始めとした格闘、各種スキル、特技を使い、仲間とともに戦う事もあったのである。


そして!

これだけ魔物を倒せば、当然ながら、リオネルの心の中で、

あの独特のランクアップファンファーレが鳴り響き、

内なる声が淡々と告げて来た。


チャララララ、パッパー!!!


リオネル・ロートレックは、レベル29に到達しました。


チートスキル『エヴォリューシオ』の効果により、


身体能力、五感が全般的に大幅アップしました。


体内魔力が大幅に増量しました。


魔力回復力が大幅にアップしました。


魔法攻撃力が大幅にアップしました。


物理攻撃力が大幅にアップしました。


対魔法防御力が大幅にアップしました。


対物理防御力が大幅にアップしました。


魔力軌道制御力が大幅にアップしました。


転移魔法レベルが上がりました。

発動力、制御力、移動距離、輸送力、が大幅にアップしました。


念話レベルが上がりました。

読心力、が大幅にアップしました。


「やった! またもレベルが上がった! レベル29か! あとワンアップで30だ! そして地上へ戻ったら、転移魔法のリミット距離、輸送量も確認しよう。それにアスプと各種ゴーレムも凄く増えたぞお!」


成果を実感したリオネルは、満足そうに頷いたのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


アスプを仲間にし、各種ゴーレムを捕獲し、魔物を倒しまくっていたリオネル。


結果、アスプはつがい100組、200体に増加。


ゴーレムはといえば、岩石製200体、鋼鉄製200体は変わらないものの、

青銅製400体、ミスリル製400体、銀製300体、水晶製300体となり、

計1,400体から、400体増加1,800体もの大軍団となった。


「後で転移魔法で上層へ行って、岩石製、鋼鉄製をもっと集めておくか、まんべんなく各種のゴーレムがあれば、全体のバランスが良いからな」


独り言をつぶやくリオネル。


丁度レベルアップしたのを頃合いと見て、リオネルは早めに110階層へ移動。

無人の小ホールを見つけ、キャンプの準備をする。


近くに人間の冒険者の気配は全くない。


リオネルは探索、攻略を全く苦にしなかったが……


……実はこの地下101階層から110階層、混沌カオスのフロアが、

一流と超一流の冒険者を分ける境界線となっている。


100階層までは、出現する魔物の種類、数が絞られ、

対策を立てやすく、対応もしやすい。


しかし、様々な特性を持つ数多の魔物が出現する、

混沌カオスのフロアともなると、


シーフ職、盾役、攻撃役、回復役、後方支援役は勿論、相手の弱点を衝いて戦う為、地、風、水、火4つの属性魔法全てが必要ともなって来る。


4大属性魔法だけでなく、シーフ職、盾役、攻撃役、回復役、後方支援役全てに、

突出した能力を持つリオネルは、仲間のフォローもあり、問題なくここまで到達したのである。


さてさて!

現在、時間は午後4時である。


ここでケルベロス、オルトロス、フロストドレイク、ジズが戻って来た。

人間族の冒険者は居ないので、仲間は気兼ねなく、ふるまえる。


リオネルは交代で、仲間達に休憩をとらせる事にした。


まずケルベロス、フロストドレイクを巡回に出し、

オルトロス、ジズを休ませ、収納の腕輪に仕舞ってあった巨大な家畜の肉塊を与える。


ちなみにファイアドレイクを異界から再召喚、

妖精ピクシーのジャン、仲間集めに貢献したアスプ56体と、新たに仲間にした144体も収納の腕輪から搬出し、休ませる。

ジャンには焼き菓子、アスプ達には肉塊を与えておく。


仲間達に食事を摂らせた後、リオネルは自分の食事の準備に取り掛かった。


リオネルの夕食は焼肉、パン、コンソメスープ、ポテトサラダというメニュー。


ここで、ケルベロス、フロストドレイクが戻って来て食事に。

入れ替わりに、オルトロス、ジズが巡回へ。

ファイアドレイクを異界へ戻し、ジャンとアスプ達を収納の腕輪へ搬入。


やがてリオネルの食事が終わった。


明日降りる地下111階層から地下120階層は、出現する魔物のパターンが大きく変わる。


軽く息を吐いたリオネルは、フォルミーカ迷宮の地図を見て、考えを巡らせたのである。

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