『fragments』

さくらぎ(仮名)

『fragments』

「私は失敗しました」

「私は失敗してしまいました」

「またです」

「また、同じ失敗をしてしまいました」

「いえ、いいんです。よくないですけど」

「昔からそうなんです。昔からこうなんです」

「いっぱいメモをとるんです」

「教えてもらったことを頑張って覚える努力をしようとするんです」

「そのために私はメモを取るんです」

「でも忘れてしまうんです」

「忘れて、失敗してしまうんです」

「ふふ、すごいでしょう」

「もっと、すごい、て言ってください」

「お前には何が出来るんだ、て、もっと貶してください。貶めてください」

「ふふ」

「逆に才能ですよね」

「こんなに失敗して失敗してあ〜〜〜〜!!ってなるの」


「――そういう、想像をしてしまうんです」

「私は褒められて伸びるタイプなので、怒られるともう駄目なんです」

「ガラスのハートが玄翁でバチコーン!ていかれてしまうんです」

「あ、玄翁て言葉、最近覚えたんです。だから使ってみました」

「まぁそれは良いとして、まぁ要するにあれです」

「粉砕骨折ならぬ、粉砕心折です」

「私は骨にヒビが入ったり骨が折れたりしたことが無いので、それらがどんな風に痛いのか想像もつきませんが、心にヒビが入ったり心が折れたり或いはもっと酷くなってしまったことはまぁそれなりにあるので、よく分かるんです」

「ふふ」

「でも玄翁ぶんぶんする側の人はそんな事考えないんです。自分が持ってる玄翁をピコピコハンマーと勘違いしちゃってるていうか思い込んでしまってるていうか確信してるので、まぁ要するにピ――――(規制)なので(笑笑)、もう、仕方ないんです」

「そいつはこれから先もずっと玄翁をぶんぶんするんでしょうし、そのせいでもっとたくさんの色んな人がガラスのハートを粉砕心折される憂き目に遭うんです」

「はぁ」

「何が最悪かって、玄翁ぶんぶんは一人じゃない、てことなんです」

「玄翁は一本では物足りないらしくて、多ければ多いほど良いらしくて、攻撃力と破壊力と粉砕力がね、段違いにイイ!んですって」

「ふふ」

「そうらしいんです、実際」

「そのほうがやり甲斐があるんでしょうね」

「達成感、て言うんですか?知らないですけど」

「自信に繋がる、て言うか」

「俺たちならできる!て言うか」

「そういう、謎の団結力、結束力が生まれるんでしょうね」

「そしてそれはいつからか固くて硬くて堅くて難いハートになっていて、私一人分の玄翁ではもうどうしようもないんです」

「だから助けてください」

「私の玄翁では駄目でした」

「いえ、実際はまだぶんぶんしてないんですけど」

「でも、お願いです」

「やってもないのに云々、とか、そういう事は言わないでください」

「私が玄翁を持っているのはぶんぶんするためでは無いんです」

「ものすごい勢いで襲来する結束ハートの塊を防ぐ為の、守護るための玄翁なのです」

「ふふ」

「しょうもない、て思いましたか?」

「期待外れ、でしたか?」

「ふふ」


「黙れ」


「私の玄翁では駄目でした、というのは、そういうわけなんです」

「私の玄


くて弱くて、でも


たくないんです。私の

「私は




























「ほら、


観覧車」

「ね、あったでしょう。本当に



てしまったのかもしれません。今となっては誰にも分かりません。もう何

ですからね」





「(どうやら、赤い絵


場所に、それは落ちていました」



「ふふ」

















16


「あなたも、さ

「きっと楽しい時間に

ですから。ここ

「料理も得意ですのよ。昨日なんか




「え?ということは、

うでしたが」

うでしたか、通りで――」







ぁ、踊


「あぁ!踊
























































「ふふ」








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『fragments』 さくらぎ(仮名) @sakuragi_43

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