誰ひとり……
門前払 勝無
第1話
「誰ひとり…」
薄らと漂う霧の中で捜し物をしているー。
薄く見えてるモノすら自分にとってのピースではない事すら解っているが心が寂しがって絶対に手に入らない宝物を求めてしまい。無い希望という幻想を造り上げてしまう。魔法が覚めてしまうのも解っている。
一瞬でも夢の中に居られたことを幸福だと念じて幕を閉じる。
君は何のために産まれてきたの?
……。
答えられない。
そんなの俺だって知りたいよー。
何で誰一人として俺に近付いてくる人間は居ないのだろうー。
本当のことを言う。
見えているものを信じてる。
冗談は好きだが、嘘は嫌いだ。
なぁなぁで物事を流すのも嫌いだ。
偉そうな奴も、苦労してきてそれを正しいと思っている奴も、自分以外をバカにする奴も嫌いだ。周りの意見に流される奴も自分の意見を言えない奴も嫌いだ。ネガティブな奴も嫌いだー。
本当の事だけで良い。
それだけで良いのに、それすらも叶わない世界に産まれた自分が悪いと思うようになったー。
たった一人だけ自分を解ってくれる人が居てくれたら、俺の産まれてきた意味が解るのにー。
産まれてきた意味などもうどうでも良い。
死ぬのなんて怖くも無い。
このまま霧の中を彷徨いながら生きていかなくてはいけない事が億劫である。
それが俺の産まれてきた意味なのかも知れない。
自分が望まなくても自分以外から悪とされるのが“俺の産まれてきた意味”なのかも知れないー。
昔からの違和感の答えがこの事なのかと自分で納得しなくてはいけないのかも知れないー。
誰ひとり…俺には必要無いと…もういい加減気がつかないと、心が弾けてしまう。
終
誰ひとり…… 門前払 勝無 @kaburemono
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